149 薄ら笑いを消してやる! (改訂-5)
【薄ら笑いを消してやる!】をお送りします。
宜しくお願いします。
世界の色が変わっていく……
空の色が、昼間にもかかわらず紅色に染まる……
「おっさん達は行ったか?! 」
ビリーはスコープ越しに虚なる神を捉えながらも周囲に気を配る。銃身にルーンの光が回転しながらエネルギーを集約していく。
「武蔵は行ったか?! ならばここは拙者が活路を開く! アーサー王殿、お頼み申す! 」
小次郎は物干し竿、実名【備前長船長光】に練り込んだ神霊力を流し込み、必殺の剣となす為、時間を必要とした。
「心得た! 行くぞ! 紛い物の神め! 」
アーサー王が虚なる神に向かって走る。それに合わせてウィリアムと総司もタイミングを合わせて飛び込んで行く。彼らの動きに反応して天使共が阻止に動くが、それをビリーは的確に倒していく。
「皆は私が支えきる! 主に仇なす紛い物の神よ! 紛い物の天使達よ! 本当の神罰を体感せよ! 神失楽砲撃波!!!!! 」
大天使ミカエルが顕現する。大きく広げた翼から放たれた光の羽が嵐の如く虚なる神に襲いかかる。一枚一枚に意思がある様だ。 突き刺ささった部分が分子崩壊を起こす。たまらず虚なる神が下がろうとするが、アーサー王はその隙を見逃さない! 一気に聖剣エクスカリバーの神霊力が解放された! 虚なる神の左腕を肩口から切り飛ばした!
「直ぐに再生する……だがその時間を与えずに攻撃すれば」
マーリンも新たな詠唱に入っていく。先ほど召喚した六大精霊王の光と闇の二体がアーサー王の援護に入る。
「……そろそろ良いか。これ以上は長光がもたん……受けてみよ! 真・燕返し!! 」
小次郎の神霊力を練りに練った刀身が青白い閃光を放つ。音速を超える魔力の乗った白刃が、周囲の空間を歪めながら偽神に襲いかかった!! 巨大な神霊力の奔流が大気に渦を巻く。
「ぐっぐぅぉぉぉおおお!!! 」
「効いてやがる!! 」
ビリーは尽かさず弾丸を撃ち込んでいく。
◆◇◆
アヴァロンのホーミングレーザーが天使を追跡して撃墜していく。円卓の騎士もアヴァロンの甲板で、よく皆を護った。
「完成したぞ! 」
クレオパトラがその紫色の結晶体を掴んで、それをヴァルフにわたした。ヴァルフが転送術で結晶体を直ぐにマーリンの元へ送り込む。
「あとは頼んだぞ……さて此奴らを片付けるか」
クレオパトラは天使達を睨みつけた。
『……ジークフリード……聞こえるか? 俺だ!! 』
「ルバンス様!? 」
ジークフリードは思わず涙を流す。
『君もまだその名で呼んでくれるのか? 』
「聞こえる! ルバンス様!! よく無事で! 」
エルトリアはすでに豪泣している。
『エルトリアありがとう。それにフェルミナも」
「ルバンス様! 」
『ジーク、このアヴァロンもアリストラス超帝国の旗艦メタトロンと同じ次元バーストが使える筈だ。それで神の器を封印する』
「しかし奴は次元跳躍が可能です」
『大丈夫だ。同時に奴の心象世界にいる時貞も封印する。エレクトラならば次元バーストの超帝国プロテクトを解除できる。虚なる神を止めるには、器と魂を別々に封印してしまう以外にない』
「わかりました。状況を開始します! 」
◆◇◆
よく虚なる神の攻撃を耐え抜いている。だがジャンヌも限界が差し迫っていた。
虚なる神の胎内にある魔導縮退炉八基が輝きを増す。
「なんかやばいぞよ! 」
マーリンは攻撃詠唱を解除して防御魔法にとりかかった。虚なる神の連結した縮退炉エネルギーが魔力に変換されてゆく。次の瞬間、翼を広げて体を宙に浮かせて両掌を合掌する。
「超新星!!!! 」
圧縮された魔力と変換しきれずに漏れ出した凄じい神霊力が一気に解放された!! 圧縮された惑星が大爆発を起こした様な衝撃波が周囲に広がってゆく!!
その衝撃波はグランパスまで後退した連合軍まで到達した。
「ななんだ?! なにが起こっているのだ! 」
シリウスはこれほどの軍勢がいるにも関わらず後退しなければならない屈辱に耐えていた。臣下としてエレクトラ陛下に申し訳ない思いで一杯だった。
「陛下は援軍を求めておられるのではないか……」
◆◇◆
「圧倒的ではないか?! そう思うだろ? クラインよ」
時貞の余裕は、自分を封印する手立てなど無いと思っているからだ。
「……その薄ら笑いを消してやるぞ! 」
ヒロトは左手の指で印を切り出した。
【薄ら笑いを消してやる!】をお送りしました。
(映画 クライマーズハイを観ながら)




