122 殲滅乃空 (改訂-5)
【殲滅乃空】をお送りします。
今回はふしぎの海のナディアのオマージュ回です。
宜しくお願いします!
朝日が眩しい。
流石に空は風が強く寒い。
航空戦艦アヴァロンの甲板に、ビリー、マーリン、九郎とジャンヌは出てみた。
体が風で飛ばされないように、ワイヤーで体を固定する。
「凄い眺め!! こんなの始めて! それに本当に空を飛んでる! 」
「凄じい速さだな! 」
「凄いのう〜。こんな巨大な物体が空を舞うとはな。なあヒロト」
「そうだね。確かに凄い! 」
ジャンヌもマーリンも大喜びだった。総司と武蔵は高いところが苦手なようで、甲板に出て来ない。
ウィリアムは晴明と一緒に式神鳥《孤月》に跨り、アヴァロンと並走している。
「こうやって並走しながら見ると、船の巨体がよくわかるな」
「本当に! こんなのが飛ぶなんて、魔導の可能性をかんじますね〜」
「……ん? ……早速敵が来ただなや〜! 」
ビリーがいち早く前方から飛来する敵集団をバレットM82のスコープ越しに確認した。
「皆んな! 艦が戦闘態勢にはいる。すぐに中に! 」
◆◇◆
「会敵予想○○六○秒後。 ドラゴン四、ワイバーン百五十、ガーゴイル四百 」
「敵に対して照準開始! ホーミング・レーザー連動」
ナターシャが的確にモニターを操作する。
「放て!! 」
グラウス艦長の号令でレーザー砲の射撃が始まった! 発射されたレーザーは、激しく動き回る敵を追尾して、次々と打ち落として行く。
真正面からドラゴンが突入してファイヤーブレスを放った!
「電磁バリア展開!! 」
アヴァロンを球状に包みこむ電磁場の全周囲障壁が、ファイヤーブレスの攻撃を中に通さない!
「主砲発射準備!……撃てぃ!!! 」
魔導の力で加速された十数万度の熱線砲が火を吐く!!
直撃を受けたドラゴンは、一瞬で消し飛んだ。
「重力子爆雷準備! 敵第五波の妖魔軍の集結ポイントに、喰らわせる! 地上遠征軍の露払いをするぞ! 」
「重力子爆雷装填……放て!! 」
側面のハッチが開き、次々に爆雷を射出する。射出された次の瞬間、爆雷からジェット噴射が始まり、敵の集結ポイント目掛けて飛来する。
着弾の瞬間、凄じい爆風が発生したが、小型のブラックホールが発生し、今度はその爆風諸共、周りの物質を吸い寄せて飲み込んで行く。
「凄じい攻撃だな! こんな戦闘が現実にあるのか? まるで神の神罰か? 」
リクリエーションルームから、外を見ていたウィリアムは自分の目が信じられないでいた。
「…….これは神罰なんかじゃない……悪魔の力よ……」
ジャンヌもこの異形の力を認めたく無い様だ。
(この船は、恒星間航行用だと言っていた。ならば本来は外宇宙での戦闘を想定された兵装だ。だから桁違いの攻撃力がある……)
「……あれは何だ? 」
ヒロトは更に異業の物体を眼にする。
◆◇◆
艦橋の戦略モニターにロード・グランデが表示された。その迷宮の入り口がある場所に、巨大な黒鉄の球体が浮かんでいる。
「メインモニターに出します! 」
前面のモニターに映し出されたその物体は、真球の黒い巨大物体であった。その真下の地上にはロード・グランデ大迷宮の入り口がある。それを囲う様に三本の黒い塔が立っていた。
グラウス艦長に呼ばれて、ヒロトが艦橋に入ってきた。
「あれが、この戦争で失われた魂を取り込んでいる元凶です。」
時折、黒い表面に空気がイオン化する現象がみられる。表面からエネルギーが漏れ出している様だ。
「ならば、やる事は決まっている……敵の巨大球体建造物を破壊する。主砲発射用意! 」
グラウス艦長が腕を振りあげる。
アヴァロンが巨大球体建造物と射線を合わせ、主砲に魔導エネルギーを集約する。
「撃てぃ!! 」
収束超高熱砲が球体建造物に向けて放たれた!
直進する超高熱ビームの束が建造物に直撃したと思われた瞬間、ビームが弾かれた!
「電磁バリア!? 」
ヒロトは不可視のバリアの存在を感知した。
「この艦と同じ魔導エネルギー障壁だと? 重力子爆雷発射!!」
だが重力子爆雷の超重力干渉も、球体建造物の電磁バリアは耐え抜いた。神霊力が凄じいのだ。
「前面部ビームバリアを展開! そして前面部ビーム収束スピアを使う! 」
アヴァロンの艦首から収束されたビームの槍が発生する。
その槍を中心に前面部にビームのバリアも張られる。
「敵球体建造物の電磁バリアを破壊する。バニシングモーター全開、突っ込め! 」
グラウス艦長の号令で、アヴァロンを全速力で球体建造物の電磁バリアに突っ込んだ!!
電磁バリア同士の干渉エネルギーがぶつかり合って凄じい衝撃波が発生した!!!
「ぐぅぅううう!!!! 耐えろ!! 」
アヴァロンが展開したビーム収束スピアが敵の電磁バリアを破壊した! バラバラに砕け散るバリア!!
「拡散熱線砲!! 発射!!! 」
バリアが砕け散た瞬間に、球体建造物が拡散した超高熱ビームのシャワーを浴びせられ、炸裂した!
同時に、球体建造物からもビームの雨が降り注ぐ!!
「敵ビームの直撃です!! 」
「各壁閉鎖!! 被害状況を確認せよ! 」
【殲滅乃空】をお送りしました。
アヴァロンの真価が問われます。
(映画 オリエント急行殺人事件を観ながら)




