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108 森乃守人 (改訂-5)

【森乃守人】をお送りします。


宜しくお願いします。

 鋼の強さを持ち、


 繊細な細工物を歴史に残す。


 ドワーフの丸太の様な腕から繰り出す戦斧の一撃は、


 グレーター・デーモンの首を易々と断ち切った。


 ドワーフの戦士団が総司の隊に合流してから連携も板についてきた。その夜は総司の連隊でドワーフの歓迎会も兼ねて、夜遅くまで酒盛りが行われた。ドワーフのアルコールに対する耐性は、それこそドラゴンとかわらない。ほぼ無尽蔵だ。どこで話しがこうなったのか、武蔵とドワーフのバロフ戦士長との酒飲み対決になっていた。エールから始まり、数種類のワインをラッパ飲みし始め、ドワバロフが酒樽を持ち出した所までは武蔵も記憶があった。



「人間のお人よ、お前さんも良く頑張った。誇りに思っていいぞ! ガッハハハハ! 」



「……ま、負けんぞ! ま……」

 武蔵がぶっ倒れた!

 武蔵が倒されたのは、このドワーフとの酒飲み勝負と、ジャンヌに素手で張り倒された二件だけである。



「武蔵が負けた! 」

 ヒロトである。


「武蔵殿が負けた?! 」

 総司である。


「おっさんがまけただなや〜! 」

 ビリーである。


「おっさん! どうした? 負けたのか? 」

 九郎である。


「負けたんですね〜。人の子ですもんね〜 」

 晴明である。


「なんと! 武蔵が負けたとな? 」

 マーリンである。


「とっくに私に負けてるじゃない〜! 」

 ジャンヌである。


「武蔵が負けた〜!! 」

 皆の声がハモる。


「やっぱり俺の方が強いな! 」

 ウィリアムがふんそり返る。



「喧しいわ!!! 」

 ついに武蔵は拗ねてしまった。




◆◇◆




 パルミナ連合王国と、ライアット公国の国境沿いに帰らずの大森林という場所がある。太古からある大森林で、森の奥にはハイ・エルフの隠れ里があると言われている。

 人間とは千年前の災厄の渦で魔神と戦う為に共闘してから不可侵の盟約が交わされていた。ハイ・エルフの寿命は長い者で四千年以上を生きる。アリストラス超帝国の動乱を生き抜いた最古参もいた。



「この辺は、もう人が入った事がない領域じゃな」

 マーリンは大木の根をヒョイヒョイっと伝って奥に向かう。



「速いよ、マーリン! 」

 ヒロトはついて行くのがやっとだった。マーリンがこんなに健脚とは思わなかった。元々マーリンは妖精の人間とハーフに位置する。

 ヒロトはハイ・エルフの参戦を促す為に、この大森林に入る決心をした。使い魔を使った手紙で何度かやり取りをしたが、ハイ・エルフの里で何か問題があり、参戦出来ないとの事だった。



「流石にハイ・エルフが住う森なだけあって、災厄の渦の禍々しい気が入ってこんな」

 マーリンは身軽に木の枝に乗り、先を見通す。



「もう日が暮れるよ、森の夕暮れは早いんだ」

 知ったかぶるが、正直疲れたのだ。



「そんなに妾と愛を確かめたいのかえ? 夜はたっぷりあるぞよ〜」



「……疲れたんです……許して…」



「許さん! 」



◆◇◆



 焚き火をおこしたヒロトは、テキパキと鍋の用意をする。鶏肉で出汁をとり、野菜を煮込む。焚き火はとても落ち着く。この火は人に文明をもたらし、そして破壊ももたらした。だがこの火に救われた人々も大勢いる。人は闇を光で切り取りながら生きて来たのだ。



「ヒロト……現世に帰ったら……どうするのじゃ? 」

 マーリンは小さな木の枝で、火に焚べた薪を動かして火の回りを調節する。



「……まだわからないよ……取り敢えず妹に会いに行く」

 ヒロトは枯れ枝を火に配る。



「……ヒロトはその為に戦っている様な物だからな…」

 マーリンの顔を焚き火が照らす。だがその場合、ヒロトとの別れが待っている。



「…………」



「?! 何か来る」

 ヒロトは剣を手繰り寄せて身構える。

 いつの間にか大木の枝に、弓を構えたエルフが数人いる。ヒロトの感知が反応しなかった。



「こんな森深くで、火を使い、あまつさえ動物の肉の匂いまでさせるとは……」



「……俺たちに敵意は無い! ハイ・エルフの族長に会いに来たんだ」



「お前達は森の掟に叛いた、それが外の人間の礼儀か? 」

 この連中のリーダーらしき男がヒロトの前に降り立つ。

 着地する音はまっまくしない。



「ルールを破ったと言うなら謝る。族長に合わせてくれ」

 ヒロトは剣を手放して、手をあげる。



「言い訳は後で聞く。連れていけ! 」



 大人しくヒロトもマーリンも敢えて捕まった。事を荒げたくは無い。その気になればなんとでもなる。

 ヒロトとマーリンは魔法のかかった縄で腕と腰を結ばれてた。前から縄で引っ張られて行く。

 


(……なんでこんなに殺気だっているんだ? )



 どれくらい歩いただろう?森の空気が変わった……夜だと言うのに、ほんのりと明るい。空気に微かな木が燃える匂いがする。


「……妖精? ティンカーベルみたいだな……」



 手のひらサイズの羽のある女の子が飛び回っている。巨大な木々の上に家がある。



「……ここがハイ・エルフの集落……」



ヒロトとマーリンは問答無用で木で出来た檻に放り込まれた。


「いてててっ! 何するんじゃ! 」

 マーリンはお尻をうちつけて、パンツ丸見えで四つん這いになって痛がっている。



「大丈夫か? 」



「なんでこんなに殺気だっとるんじゃろ? 」



 辺りを見渡すと、武装したエルフが右へ左へ動き回っている。族長と会わせて欲しいと言っても、まったく取り合ってくれない。



「……何が起こってるんだ? 」





【森乃守人】をお送りしました。

この世界の根幹に関わる事件が起こります。

(映画 イノセンスを観ながら)


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