表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/92

107 ヒロトの受難 2nd (改訂-5)

【ヒロトの受難 弐】をお送りします。


宜しくお願いします!

 反抗作戦の立案の為、


 ありとあらゆる状況に対応する為、


 六十五通りの作戦案を立案している。


 その幾らかを、グラウス陛下に上奏するつもりだ。


 出来る事はしなければ、後で後悔する。


 その為にこの数日はまともに寝て無かった。


 駐屯地で発生した問題も多々ある。深刻な問題から、くだらない問題まで幅は広いが……深刻な方は、暗殺教団の生き残りが、毒物を食べ物に混入し、士官に被害がでる事件も発生し、対応に追われていた。くだらない方は、ビリーが女性士官控室のロッカーに潜んで着替えを覗いていた事だ。ロッカーに潜むなんて見つかる事を望んでいるみたいだ。



「…………ま、不味いな……流石に少し寝ないと……」



 ヒロトはヨロヨロと、千鳥足でシリウス団長の幕舎での会議を終えて席を立とうとした。かれこれ三日はまともに寝ていない。それをシリウスに呼び止められる。



「ヒロト殿! この後は上層部の親睦会だ。其方も参加されよ」



 前回は忙しさにかまけて、断っている手前、出ない訳にはいかなかった。会議の行った幕舎の隣りで一席設けられている。参加者は、エレクトラ陛下、クレオパトラ陛下、カルミナ団長、シリウス団長、ライラ団長、ブロス将軍、そしてヒロトの七人だ。



「わかりました。お言葉に甘えて御相伴させて頂きます」

 正直、帰って寝たかったが仕方がない。シリウスの顔を潰すわけにはいかなかった。



 会食の場に行くと、クレオパトラ陛下とカルミナ団長との間の席が空いている……真向かいはエレクトラだ。

(……やな予感が……)



「ヒロト! 待っておったぞ! 」

 クレオパトラが、おいでおいでする。また無駄に胸を強調するようなドレスを着ている。背中などは、お尻まで見えそうだ。ってか見えている。



「陛下、御相伴させて頂きます」

 すこーし椅子を離して座る。



「堅苦しいのは無しじゃ! ほれ〜、この長くて太く逞しい、肉詰めを食べろ! 」



(また変な言い方をするな!! )



 ヒロトはホークとナイフで、ソーセージと格闘する。ソーセージが滑って上手く切れない……



「ヒロト、そんな事をせずに、この様にすれば良い」

 おもむろに、クレオパトラがホークでヒロトのソーセージを突き刺し、舌でチロチロと舐める。



「ヒロトのソーセージは、硬くてスパイシーじゃの〜」



(だから! 変な言い方はやめて!! )



 エレクトラがじ〜っと見ている……



(視線が痛い!! )



「うぉほん!! ヒロト殿、恥ずかしい話し、儂はライラが心配じゃ。 なんとか武蔵殿との間を取り持って貰えんか? 」

 カルミナは真剣その物だ。ライラの事となると盲目なのだ。



「やめて下さい! カルミナ団長!! 」

 流石にライラもパパとは呼ばない……



「……やはり本人同士の問題ですし、私が口を出す事では……」



「そうじゃな……ライラ殿よ、武蔵の幕舎へ行き、裸となり、強引に子作りせよ! 」

 しらっと、ソーセージを口に放り込みながら、クレオパトラが爆弾をライラに放り込む。



「へへ陛下! そんな不謹慎な! 」

 エレクトラとカルミナの声がはもる! ライラの顔は真っ赤だ。



「朴念仁にはそれぐらいの荒療治が必要じゃ! 」

 テーブルの下で、クレオパトラの手がヒロトの股間に這う……



「はうう!! 」

(まただ! まただ! まただ!!! 不味い! 不味い!!  )



 エレクトラがじ〜っと見ている……



(視線が痛々しい!!  )



「くく果物を!!! 」



 強引にヒロトは立ち上がり、果物を取りに行く。

 シリウスとブロス将軍は意気投合したのか、葡萄酒の飲み比べを始めた。



(……ま、不味い、眠くて、死にそうだ……)

 眠過ぎてブロス将軍の隣の椅子に座り込んでしまった。



「ライラよ! だがそれぐらいの積極性も必要じゃぞ! 」

 クレオパトラは昔の自分と重ね合わせてみている様だった。




「……ヒロト殿? ヒロト殿?? 」

 カルミナは慌てた! よく見るとヒロトの口から血が出ている。


「毒だ!! 医者を呼べ!! 」



「なんだと! 誠か?! 暗殺教団の生き残りの仕業か! 」

 一気に大騒ぎになった!



「ヒロト! 大丈夫!! 」



 エレクトラも気が動転してしまっている。暗殺教団が用いた毒物はマンティコアの尻尾から抽出した最上級の毒薬だった。数分で死に至る!



「医者では間に合わん! 妾の電撃で心臓を活性化させる! 」

 クレオパトラはそう言って、魔法詠唱を始めた!



「……天の雷帝よ、雷の王よ、我が最愛にして、最高の伴侶となる男を救い給え!!! 超愛電撃(スーパーラブスパーク)!!!! 」



「ぎゃぁぁぁああ!!!!! 」

 ヒロトに電撃が落ちた瞬間! ヒロトが大声で叫んで、ぶっ倒れた!!

 ヒロトの口からザクロの実が落ちる……



「……寝てただけ? 」

 カルミナは眼が点になった……




◆◇◆




「なんでヒロトが電撃くらって、伸びてんのよ? 」

 ジャンヌは教団の処置室でヒロトと対面した。

 前にもおんなじ事があった様な……



「ジャンヌ様。どうなさいますか? 」



「ツバでも付けといて! 」


 チャンチャン!



【ヒロトの受難 2nd】をお送りしました。

どこまでも運の無いヒロトです。大丈夫か?

(映画 うる星やつら オンリーユーを観ながら)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ