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105 魔人消滅 (改訂-5)

【魔人消滅】をお送りします。


宜しくお願いします!

 明けの明星が、この世界には二つある。


 金星の様な双子星。


 星の運航が左右する陰陽道だが、


 現世よりも強力な力が発動する。



「敵の動きが止まった?! 」



 晴明は、霊力を込めて空に五芒星を人差し指で描き、更に天高く放つ。すると五芒星はそのスケールを大きく広げて、天空に固定された。

 その五芒星の各頂点から、白い物体が多数放出される。形代と呼ばれる霊力の入った式だ。それぞれが顔の形をしている。晴明が素早く印を切り、式を各地にばら撒く。さらに多数の魔法陣を天空に浮かべて索敵範囲を広げてゆく。



「何か有るのか? 嫌な空気はありますが……変わった処はない……」



 式に偵察させるが、敵にかわった動きは見られない。だがそれとは別に東から高速で近づいてくる物体がある。式神鳥【日輪】だった。



「?! ヒロト、戻ったのですね」



 城壁を超えて、街の中央の広場に舞い降りて、無事に到着した事が見える。




◆◇◆




 ロード・グランデ大迷宮への新たなルートの事、ゴドラタン帝国の発掘船《航空戦艦アヴァロン》の事、その船で敵本拠地を急襲する事など、盛り沢山の情報を御前会議で伝えた。



「あと一ヶ月で急襲……」

 エレクトラも静かに決意の顔をしている。



「一ヶ月後に反抗作戦を開始する! それまでは地帯戦略を徹底し、戦力を温存する」

 だが短い様で、気の遠くなる一ヶ月になりそうだった。

 敵に悟られない様に準備を進めなければならない。余り消極的だと、変に勘繰られるかも知れない。静かに、ゆっくりと、事態を進めて行く。焦っては事を仕損じる。昔、一度だけパーティを組んだ事がある。自分の先走った判断でパーティ全体を危険に晒した。それからヒロトは攻略組のレイドに参加する以外は、パーティを一度も組んでいない。だが今回はパーティどころでは無い。このアリストラス世界そのものの命運がかかっている。

 そのとき、敵襲を知らせる声が聞こえて来た。ヒロトは、念話で晴明と心の中で話す。



「空から敵襲です。カーゴイルの軍勢が迫っています」



 そう皆に伝えてからヒロトは、自分の幕舎にもどり、今朝到着したカノンからの荷物の梱包をほどきにかかる。



「くそ!! また木箱か。厳重にしすぎだよ! 」



 やっと中からそれを取り出し、幕舎から南の城壁に向かって担いで走る。



◆◇◆




「ガーゴイルの中に何かいますね! 」



 そう言って、晴明は式神鳥【孤月】の背に乗り、天空に舞い上がる。目を凝らして見ると、ガーゴイルの群れの中心に黒い巨大な鳥が浮かんでいる。



「蘆屋道満!! 」



 晴明は素早く印を切り、呪符を大量に投げる。

 すると呪符は白く四角い布にかわり、ガーゴイルを包み込む様に抑え込んで行く!



「晴明!! どうだ?転生者になる決心はついたか? 」



「リン ピョウ トウ シャ カイ チン レツ ザイ ゼン!! 」

 晴明が真言を唱え人差し指で、道満を薙ぎ払う様に手を振る! すると、見えない刃が道満を襲った! それを道満が、印を結び、人差し指を縦に振り下ろすと、その見えない刃が、かき消えた!



「九字の呪法など、我には通じぬぞ!! 」

 


「オオマガツ日の神、ヤソマガツ日の神、来たりて我に従え!! 」

 そう言って今度は道満が術を発動させる。何も無い空間に漆黒の穴が開き、いきなり異業の化け物が這い出てくる。黒い蝙蝠の羽、無数の蛇の頭、胴体は虎だ! その無数の蛇の頭を掻き分けて、本体の猿の頭がある。



(ヌエ)?!! 」



 その昔、平安の都を襲った化け物。日本最大級の怪異である。無数の蛇の頭が晴明に襲いかかる



「ちぃぃいい!! 」

【孤月】は最大速度で、鵺の攻撃をかわし続ける。速度が速すぎて、晴明は術が使えない。

 その時、いきなり鵺の頭が弾けた!!



「何だ?!!」

 道満が墜落する鵺を尻目に、地上へ目を移す。



「?!! 」

 今度は道満を掠った!!

 掠っただけでも、凄じい衝撃だ!



 「外した! だが……」

 ビリーが更に道満へ狙いをつけて、超長距離射撃の次弾を放つ!!


 ズガガガガンンンンンンンン!!


 今度は防御障壁を突き破って、道満に直撃した!!

 ヒロトが新たに工廠で作らせた武器の凄じい威力だ。

 道満はすぐに再生を始めるが、それでもダメージは甚大だった。



「ば馬鹿な!! あんな所からの攻撃?? 二千メルデはあるぞ?! 」

 道満が一瞬気を抜いた瞬間を晴明は見逃さなかった。



「黄泉の導き、死界の導き、フルヨ ヨミヨ コト コトダママワレ …… さよなら……道満! 」

 晴明が腕を交差し、さらに掌を道満に向けて印を結び向ける!!


「真・奇門遁甲十八式!! 開! 」



 次の瞬間、道満は真っ暗な空間に居た。四方に赤い鳥居がある。そのまた先にも鳥居が幾重にも続く……



奇門遁甲(キモントンコウ)だと?! 空中でか? だがこれは普通では無い?? 」



 道満は奇門遁甲を破る術返しの呪法を唱えるが、更なる迷路に引きずり込まれるだけだった。鳥居を潜っても、また同じ場所に戻る。無限ループの世界。



「ばばかな! 儂が知らぬ術だと??! 」



 この特殊亜空間世界の外側では、銀色の物体が、形を変化させながら、段々小さくなっていく。



「爆散!!! 」



 晴明が掌を打ち合わせると、その銀色の物体は炸裂した!

道満がこの世に出られる道筋が消し飛んだ瞬間だった。



「道満……」



 晴明は昔、短い間だけだったが、道満と笑いあった日々を思い返していた。



「共に研究した日々は悪く無かったよ……」




【魔人消滅】をお送りしました。

三人目の転生者が消滅しました。

災厄の渦の糧にならない方法です。

(映画 帝都物語を観ながら)


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宜しくお願いします!

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