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「何ー?」
「ほら、これ。今日の入学式で必要になるかもしれないから持ってなさい。」
そう言って母に渡されたのは、折り畳み式のリュックだった。
受け取ってスーツの胸ポケットに入れて見たが、少しだけ膨らむだけで特に違和感はなかった。
「教科書とかは私達が取りに行くと思うけど、多分教室で何か渡されるかもしれないでしょ?その時にリュックがあると便利よ。」
「わかったー。」
母は僕の頭を撫でると、時間を見て父とそろそろ家を出るか話し始めた。
「お待たせしました。時間大丈夫ですか?」
「ちょうどいいタイミングよ、琴乃ちゃん。行きましょうか!」
スーツに着替えたコンちゃんが合流すると、母は僕の手を握り玄関へと移動を始めた。
移動しながらコンちゃんを見ると、月華ちゃんに渡していたカメラの入ったバックを受け取って、カメラだけを取り出した。
「詩音さん、司さん。家の前で皆で写真撮りませんか?多少ならまだ時間もありますし。」
そのまま玄関まで月華ちゃんを含めて皆で移動していると、コンちゃんからそんな提案があり、両親は揃ってその提案に乗った。
玄関を出てすぐに僕達は並ぶと、まずはコンちゃんが撮影して僕と両親だけの家族写真を撮った。
「次は、琴乃ちゃんと月華ちゃんも入って。」
「はい、では写真撮影は術でカメラを浮かせて・・・タイマーセットしました。ささ、みんな並んでください。いきますよー」
母の言葉に、え?私もですか?という顔をした月華ちゃんをコンちゃんが強制的に並ばせて、全員がポーズを取った所で撮影が起動した。
撮り終えたコンちゃんはカメラをすぐに回収すると、カメラを操作して撮影具合を確認している。
「主、主のご家族も、お気をつけていってらっしゃい。」
「うん、行ってくるね!月華ちゃん。」
僕達は、留守番する月華ちゃんに見送られて、小学校へ向かい歩き出した。
「それにしても、現代はいいですよねー。撮影した写真がすぐ見れるんですから。少し前まで現像するまで見えなくて、失敗してたなんてこともありましたし。」
「そうよね。そう言う所は良いんだけど、デジタルカメラが進歩したと言っても、印刷で出すからフィルムの写真みたいに綺麗には出ないのよね。」
先程撮影した集合写真のデータを見ながら、母とコンちゃんは最近買ったカメラについて話してた。
「良、この道を覚えておくんだぞ。明日からは俺達はついていけないからな!」
「うん!大丈夫!」
写真撮影後、手をつないだ父から言われた通りに、僕は学校に着くまでの道のりを覚えながら歩いて行くことにした。




