6.あるいは平凡な日々
コンちゃんと出会ってから、3年の時が経った。
僕は、今の春から小学校へ通う事なる。
「坊ちゃん、お似合いですよ。」
「ありがとう、コンちゃん。」
今日は僕の小学校生活1日目になる入学式だ。
普段忙しそうに働いている両親も、久々に揃っている。
二人ともスーツ姿で、それに合わせる様に僕も子供用のスーツをコンちゃんに着せてもらった所だ。
「主、良くお似合いですよ。」
「月華ちゃんもありがとう。お留守番お願いね!」
「はい、留守はお任せを。」
普段は社から出てくることが少ない月華ちゃんだが、
今日はコンちゃんだけでは人手が足りなかったらしく、色々とお手伝いをしていた。
本当なら、一緒に入学式に行こうと誘ったんだけど、月華ちゃんは申し訳なさそうにしつつも断り、
家の留守番をすると言ってきた。
「琴乃ちゃん、そろそろ着替えなくて大丈夫?」
母が一緒に行く予定のコンちゃんが、まだメイド姿なので確認している。
コンちゃんは母にうなづきつつも、手元にあるカメラやビデオカメラの確認をしていた。
「コンちゃん、その恰好で行くの?」
「いえいえ、ちゃんと着替えますよー。流石に坊ちゃんの入学式にこの格好では目立ちますからねー。月華ちゃん、ちょっと手伝って貰えます?」
コンちゃんは、最終確認が済んだのか、カメラやビデオカメラを持ち運び用のバックへ入れ、月華ちゃんを呼んだ。
「狐殿、どうすればいい?」
コンちゃんは近づいてきた月華ちゃんに、今用意したバックを差し出す。
「この荷物を持っていて下さい。忘れては坊ちゃんの雄姿が撮れませんからね!ちょっと私は着替えてきます。詩音さん、奥の部屋借りますねー。」
「はーい。良はこっちにおいで。」
月華ちゃんが荷物を受け取ったのを確認して、母に一声かけてからコンちゃんは奥の部屋へと着替える為に移動したので、
僕は母のもとへと向かう事にした。




