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「儀式の準備をしたのはこれなる者にて、私ではありませぬ。」
呼ばれて行ってみたらなんか犯人が私に罪を擦り付けようとしてきた。
殺された先輩陰陽師をちらりと見て見る、蛇や蜘蛛が取りついた部分が黒く変色して腐り落ちていた。
これは呪いだね。それもかなり強めの嫉妬みたいだ。
「この道摩法師、蘆屋道満。誓って間違えたりはせぬ。これを行ったのは陰陽師だ。」
「道摩法師が何を言う!呪術を使ったのはそちらであろう。この見習いと結託したに違いない!」
先程から私に犯行を擦り付けてくる犯人は、目の前に座る見た目年老いた爺様に見える男に反論していた。
なるほど。彼が今話題のあしなんとかさんか。
私があしなんとかさんを見ていると、目があってしまった。
「・・・では、そこの見習いに返させて見せればよかろう。呪いが返れば犯人もわかると言うもの。もし、見習いを呪い殺したならば、この道摩法師の首を斬ると良い。」
おい、あしなんとかさん。何勝手に提案してるの。
なんか、犯人もそれで納得してるし、帝まで了承した様だ。
「・・・はぁ。」
面倒だからサクッと終わらせて、ここからさっさと消えるとしよ。
え~っと、何だっけ?確か、急ぎ指示を行えだから・・・。
「主へ帰れ。急急律令」
私は死体に憑いたままの呪いへ指示を出す。
本当なら別に言葉を口に出す必要はないけど、なんか言ってないと妖力の事怪しまれそうだしね。
後に、この時の文が急急如律令と違う事によって妖力事がばれたんだけどね・・・。
呪いは死体から剥がれると蜘蛛や蛇の姿をした影となり、犯人の陰陽師へと迫っていく。
「何故、こちらへ来る。く、来るな!おのれ、道摩法師!はかったなぁぁぁぁぁ!」
いや、単に呪いの発生源へ戻しただけなんだけど、この程度の返しすら払えないって、本当に陰陽師なのかな?この人。
生み出されたものは生み出した者へ足元から戻り、その呪いに飲まれる様にしてものの数秒で死体となった。
まさに、人を呪わば穴二つだね。
「素晴らしい。鮮やかな呪反。さては、そなたが陰陽寮の次期筆頭なのではないか?」
いいえ、違いますけど?このあしなんとかさん、何言ってるの?
「流石は道摩法師殿。これなる者は安倍晴明と言い、亡き加茂殿の弟子なる者にございます。」
「ほう。道摩法師が陰陽師を称えるとは、余程できると見た。これで、陰陽寮も安泰だな。」
私の義父になった貴族が簾の向こうに何か言ってるんだけど・・・。
というか居たのね、気が付かなかったわ。
「晴明。期待しておるぞ。」
「・・・はぁ。」
ぶっちゃけ、簾越しに言われたけど、これから去る私に何を期待してるのだろうか?
義父に頭を下げられて、私は帝へ返事した様な態勢で呆れた声を出す羽目となったのだった




