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story  作者: 岸村 改
4/1567

1-3

「どうして、こうなったんだろう?」


目の前に仕分けされ、倉庫の入り口を埋める荷物の山を前に、私は首を傾げた。


梅ちゃんと感動的と言っても良い別れ方をした後、


次の世話役が来る前に私の私物を回収がてら、家の掃除を私はしていた。


戦後、何を行っていたのか詳しくは知らないが、梅ちゃんは商業を成功させて一時期社長まで務めていた。


その為、それなりに裕福になった彼女が建てた家は、2階建てで和洋折衷が見事に合わさったモダン的な建物で


その美しさは、私も気に入っていた。


しかし、美しさを維持しようとするには、私一人で行うにはいささか大きすぎるのである。


故に普段は生活で使う範囲を優先的に、最低限の掃除で済ませていたのだが・・・。


「さすがに新しい人が来るのに、掃除してないのはかわいそうだよね。」


と言う事で、私物を回収した後に私は自分の持てるスキルをふんだんに使い、建物を徹底的に掃除することにしたのだった。


ようやく掃除が終わったタイミングで、ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。


ちなみにこの携帯は有事の際に梅ちゃんと連絡が取れるように手を出した、近代機器の一つで、


手の平サイズの細い本体に、白黒の小さい画面が付いた少し前のモデルである。


「はい、もしもし、月城です。」


電話の相手は時々人手不足の際に手伝っているコンビニの店長だった。


どうやらバイトの子がこれなくなったらしい。


仕方がないので、穴埋めに私が行くことになった・・・ここまでは良かったんだけど。



「月城さん、本当にごめんね。お婆さん大丈夫?」


「あ、店長お疲れ様です。今日からお孫さんの家に行ったので大丈夫です。それより店長、疲れてませんか?顔色悪いですよ?」


風邪で休んだバイトの子に変わり、シフトに入りレジ打ちをしているとお客さんが居なくなったタイミングで、店長が声をかけてきた。


店長の吉田よしだ とおる君は、30代半ばを過ぎた身長170センチくらいの男性で、私が妖狐である事を知る人間だったりする。


彼が小さい頃からの知り合いなので、ついつい君付けで呼びそうになるから、バイトに入るようになってからは店長呼びで統一していたりする。


そんな彼もいつもはもう少し元気なのだが、今日は見るからに元気がないみたいだ。


なんか、目にクマ出来てるし・・・。


「ああ、風邪が流行っているのかここ数日で、バイトの子が次々倒れてね。穴埋めに入ってたら、本社からの荷物整理が間に合わなくて・・・。」


「・・・店長、そのまま続けてたら死んじゃうよ?次の子来たら、その後荷物整理私やろうか?」


「うん。実は月城さんに頼もうと思ってた。さすがにこの年で3徹は死にそう・・・。」


どうやら、ここ3日栄養ドリンクを飲んで、気合で頑張ってたみたい。


私は次のシフトの子と交代したタイミングで、店の裏にある倉庫へと向かった。


倉庫の入り口を開け、電気をつけるとジャンル分け未整理の商品がずらっと奥に積まれていた。


「とりあえず、コツコツやってくしかないね!」


私は今置いてある荷物のジャンル分けを確認すると、手当たり次第未整理の荷物を確認し始めた。


そして、夜中に倉庫を見に来る人もいないだろうと考え、妖狐の力を使いって確認した荷物を置かれているジャンル分けの場所に運んで行った。


後ろの状況を見ない状態で・・・。



私がそれに気が付いたのは、もうすぐ仕分けが終わるという時だった。


窓から差し込んでくる朝日を感じて、時間を確認しようかと入り口の方を向いて愕然とした。


入り口が積まれた段ボールで埋まっていたのだ。


考えてみたら、何時間も運搬は妖狐の力に任せて、後ろを確認してなかった。


結果、荷物はジャンル別に積まれていき、入り口近くの左壁からどんどん倉庫をの中央へ増えていくわけである。


そうすれば必然的に入り口は埋まるわけで・・・。


「さて、どうしようか?これ・・・。」


結局、私が入り口を確保できたのはそこから2時間後だった・・・朝日は、既に登り切っていたよ。

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