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飛び込んだ扉の先は、小さな部屋だった。
私は部屋の中にソファーがあるのを見つけると、その上に飛び乗った。
部屋を見る限り、どうやら誰もいない様だ。
部屋の主は留守の様なので、私は一眠りさせてもらう事にした。
高級なソファーなのか、横になり体を丸めて眠ると、寝心地は悪くない。
「お嬢さん、何処から迷い込んだのかね?」
!?
声に驚き、飛び起きると目の前には男性が居た。
私は咄嗟に逃げ出そうとしたが、何故か体が動かない。
「ああ、別に責めているわけでないよ。安心して。そうだ、ミルクは好きかね?」
男性は小さなスープ皿を何処からともなく、取り出すとそこへミルクを注ぎ、私の前に出した。
私は喉が渇いていたのだろうか?
出されたミルクを私は無性に飲みたい欲求に抗いきれず、普段なら警戒するはずの状況でミルクへ口を付けた。
「どうやらお気に召したようだね。そうだ、飲んでいる間でもいい。物語を聞いて行かないかい?」
男性は反対側のソファーに座り、何かが開く音が聞こえた。
「さぁ物語をはじめよう。」
そう言って彼は読み聞かせ始めた。




