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両親の出張を見送り、僕はコンちゃんと1週間のお留守番に入った。
と言っても、普段からコンちゃんと遊んでいるからあまり変わらない気がする。
「コンちゃん。何する?」
「どうしましょうか?坊ちゃん。何かしたいことはありますか?」
僕は、何がしたいか考えた結果、コンちゃんの家に行くことにした。
「領域ですか。ん~・・・ちょっと片付け中なので散らかってるところもあるんですけど、まぁいいでしょう!」
コンちゃんと共に庭にある社へ向かい、中にある祠の扉を開けに行く。
昔は開ける事が出来なかった社の扉だが、コンちゃんが僕でも開けれる様に紐をつけてくれたので、引っ張ることで簡単に開けれるようになった。
社の中に入ると、同じように扉の後ろにも紐が付いているので、扉を閉める事もできる。
また、中にある祠の扉を開けれる様に、祠の扉まで続く小さな階段が用意され、階段の周りには落ちても大丈夫な様に柔らかいマットが敷いてある。
これもコンちゃんに僕が会いに行ける様にコンちゃんが設置してくれたものだ。
僕は小さい階段を上り、祠の扉を開けると中に吸い込まれるような感覚に襲われた。
感覚が収まり前を向くと目の前は土間になっており、靴を脱いで段差を上ると畳が敷かれた和室になっている。
部屋の中央にはこたつ机が有り、部屋の奥は炊事場につながっている。
何回か遊びに来ているうちに、コンちゃんが僕も過ごしやすい環境に色々整えた結果だ。
時々こっちに遊びに来てそのまま泊まったりするので、僕用の布団も他の部屋に有ったりする。
「坊ちゃん、いいですか?隣の部屋は今片付け中なので、冒険するのは良いですけど、足元には気を付けてくださいね?」
「はい!」
コンちゃんが指差す先にある部屋は、コンちゃん曰くガラクタ置き場と呼ばれる宝物庫だ。
何でも一時期神様と間違われて色々な物がプレゼントされたらしい。
コンちゃんの家は、色々な物が置いてあるので、僕にとってはちょうどいい冒険場所だったりする。
コンちゃんと共に靴を土間で脱いで宝物庫へ向かうとそこはいつもよりも物が散乱していた。
この宝物庫、コンちゃんの領域内にある為、面積を調整できるらしく物は基本的には積まれてはいない。
なので物が崩れてきて下敷きになる心配はないけど、足元を見て歩かないとたまに躓いたりして転ぶときがある。
足元に気を付けながら進むと金属製の水筒だったり、市松人形や櫛等が見つかった。
僕は色々見つけてはコンちゃんに報告し、コンちゃんはどうせだからと途中になっていた片付けをすることにした。
何でも、ジャンル分けして保管しようとしていたとか。
ある程度進めていくと、足元に黒い棒状のものが見えた。
試しに両手でもって引っ張ってみるけど、重いのか僕には持てず、引きずって運ぶ事するできなかった。
「ん~!!!・・・コンちゃ~ん。」
「はいはーい!坊ちゃん、どうしました?・・・あら?」
近づいてきたコンちゃんは、黒い棒を持つと取り出して見せてくれた。
立てられた棒の高さは僕の身長くらい有り、途中平べったり何かが飛び出していた。
「坊ちゃん、これは刀と言う物ですよ。こうやって引っ張ると・・・こんな風に中に刃が入っているんですよ。刃は触ると痛い痛いなので、触れちゃだめですよ?」
僕が棒だと思っていた部分は鞘であり、平べったい何かは鍔と呼ばれる持ちて部分にあるパーツだった。
コンちゃんが見せてくれた刀は、透き通るような銀色でとても綺麗だった。
「きれいだね~。」
「ええ。この刀、だいぶ前に奉納されたものだったような?まぁとりあえず、危ないのでしまっておきましょう!」
十分に見終えた僕たちは、刀をわかりやすいところへ立て掛けると、残りの片付けに戻ったのだった。
この時、刀が微かに動いた事に気が付かずに。




