6-6
教室に着いた僕は、晴ちゃんに連れられるままに黒板へと自分の席を確認しに行くことになった。
「ふむ。・・・良、君は廊下側の後ろだな。咲は・・・ほう、真ん中か。」
「それよりお姉ちゃん、良の手をいつまで掴んでるの?いい加減、放してあげなよ・・・。」
黒板を確認して僕と咲君の席を見つけていた晴ちゃんだったが、呆れた感じの咲君を見て、ニヤリと笑った。
「ん~?何だ、咲。やきもちか?ふふふ、可愛いじゃないか。大丈夫、お姉ちゃんは取られないぞ?んん?」
僕の手首から手を放すと、晴ちゃんは生き生きとした表情で、咲君の頬に手を当ててニヤニヤと笑っていた。
「・・・はぁ。ごめん、良。巻き込んで。」
「あ、うん。大丈夫。なんとなく慣れてから。」
咲君は疲れてきった表情で、僕に謝ってきたから大丈夫だよって返したのに、返事を聞いて咲君の目から光が消えた気がするのはなんでだろう?
それにしても僕達が教室に着いたのは最後だったようで、みんなそれぞれで自由に過ごしているみたいだけど、教室の前でそんなやり取りをしていたからそれなりに注目を浴びてしまった。
僕は自分の席に戻ろうともう一度黒板を確認して、黒板に書かれた席順に違和感を覚えた。
「あれ?晴ちゃんの席は何処?」
「・・・何?私の席は咲の隣に決まって・・・無い、だと?」
さっきまで咲君にニヤニヤしながら絡んでいた晴ちゃんだったけど、黒板をしっかりと3度見直してから唖然としたようにつぶやいた。
晴ちゃんから解放された咲君は、僕の隣に来ると黒板を自分の目でしっかりと確認してからゆっくりと頷いた。
「うん、無いね。まぁ知ってたけど。入学式前の説明でお姉ちゃんは隣のクラスって、お母さん言ってたしね。」
「馬鹿な!?事前に術まで使って校長に仕組むように伝えておいたというのに。」
え?晴ちゃん、何やってるの・・・。
というか、僕達小学生だよね?二人の会話を聞いてると、小学生に思えない気がしてくる。
驚きつつもこうなった原因についてぶつぶつと考え始める晴ちゃん、それをそのまま呆れた様子で背中を押して教室の外へと連れて行く咲君。
「はいはい。その辺りは、予想できたから月城さんに対策してもらったよ。ほら、お姉ちゃんの教室はあっち。寂しかったら休み時間に来ればいいよ。またあとでね!」
「あ、こら、咲!」
最終的には、隣のクラスへと晴ちゃんを入れると、咲君は扉を閉めていい笑顔でこちらのクラスへと戻ってきた。
「そもそも兄弟で同じクラスって普通はあまりないんだよ。お姉ちゃんにも困ったものだよね!あ、良は同じクラスだからこれからよろしくね!」
「あ、うん。よろしく。」
僕は咲君の不自然な笑顔の咲君を見て、敵に回すのは辞めようと思ったのだった。
その後、隣のクラスから何やら騒がしい声が聞こえてきたが、僕達のクラスは少し遅れてきた担任の先生により、普通に自己紹介と明日以降の説明が行われた。
・・・担任の先生、何であんなにボロボロだったんだろう?




