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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

君がいなくなった日

作者: だいどぅ

前半、少しだけ前作の続きとなっておりますので前作を見てからこちらを読んで頂けるとありがたいです。

窓から入ると光に照らされて目を開ける。

昨日は鍛錬場にいた筈なのにと思いながら身体を起こそうとする。

が節々が痛み起き上がるのに時間がかかってしまった。

藜はまだ寝ているみたいだ。

昨日の事はよく覚えていない。

哀しそうな顔をしながら眠る藜を見て

つられて少し悲しい顔をする。

ペチペチと顔を叩き表情を戻すと立ち上がって身支度をした。


身支度が終わると部屋を出て家を後にする。

今日は大切な人と会う約束をしているのだ。

彼女は身分的に誰かに狙われやすい。

今日は護衛という事で半日彼女と過ごす事になっている。


浅葱「どうも。護衛の五十嵐です。半日よろしくお願いします」

楓「えぇ、よろしくお願いします。私は楓と申します。今日は彼氏風でお願いしますね♪」

唐突に仮彼氏になれと言われ困惑する。

勿論彼女などいた訳がない。

どう接したらいいか分からないまま任務が開始された。


数時間が経ち、路地裏を通って次の場所へと向かっている最中だった。

突然目の前に大人が3人立ちはだかり、彼女を渡さないと通さないというのだ。

こんなの馬鹿でも分かる。絶対に渡さない。

引き返そうとしたが後ろにも2人おり囲まれてしまった。


刀を抜き出し彼女を護りながら戦おうとする。

大人達はニヤリと笑うと一斉に刀を抜き出しすぐに攻撃を仕掛けてきた。

防御した後、刀を弾き返すとフラついた隙に刀を横に薙ぎ払った。

その一瞬、彼女から目を離してしまった。

攻撃をするのに精一杯で残りの奴らの事を考えていなかった。


攻撃が命中したのを確認すると彼女の元へ戻ろうと視線を向ける。

一瞬驚いた顔をするとすぐに歯軋りを立てて大人達を睨みつける。

彼女の近くにつくと抱えあげ大人の間を潜り抜け逃げた。


運良く大人達は追ってこず二人きりになれる場所へと来た。

が彼女は既に虫の息。

どうにかして止血しようとするもできず結局彼女にもういいよと言われてしまった。

浅葱「ごめんなさい…護衛なのに…」

ポロポロと涙を流す。

男らしくないぞと彼女に笑われてしまった。

彼女は両親によろしくね。と言うと自分の腕の中で息を引き取った。


なんで守れなかった。なんで、なんで。

ひたすら自分に問い詰める。答えが帰ってくる筈もなく、遂には自害しようとした。

突如『君は死んじゃ駄目』と聞こえた。

手が緩み持っていた刀を足元へ落としてしまう。

唖然とした表情のままボロボロと涙が溢れ出した。


気が付くと家の自室の寝床にいた。

彼女の言ったであろう言葉を思い出す。

しっかりと彼女の分まで生きようと決意した。


藜とは打って変わってきちんと鍛錬をするようになった。

今日も彼の側には一人の少女が……

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