第二話 ネガティブと短気
更新遅くなり申し訳ございません。
これからも亀更新ですが、よろしくお願いいたします。
有砂が箪笥の中を進んでいくと深い霧が立ち込めてきた。やがて、ゆっくり…ゆっくりと霧が晴れてきた。有砂の目の前には…赤い世界が広がっていた。
「そういえば、ここ、全然、アリスの話とちがうじゃない。小さくなる薬や大きくなるケーキもなかったわ。」
有砂は一人で愚痴りながら、赤い土の上を進んでいる。やがて赤い海のほとりについた。
そこには一匹の大きなネズミがいた。どこまでも不思議な世界だ。どうやら体を小さくする必要もなく動物たちと人間は同じ大きさのようだった。
「あのネズミにここらへんのことを聞いてみましょう。確か、アリスは犬と猫の話をして失敗したのよね。」
一人、有砂は不思議の国のアリスのシーンを思い出しつつ、ネズミへと近づく。
近づいてみるとネズミは泣いており、それに驚いて有砂はすかさず声をかける。しかし、ネズミは気づかないままで会った。
「ネズミさん、そんなに泣いていてどうかされたの?どこか痛いの?」
「僕が悪かったんだ。僕のせいで…全部…。」
「(全く、お話にならないってこういうことね…。)ほんと、どうしたのかしら。て、いうか、メスじゃなくてオスなのね…。(よし、もういっちょ聞いてみるか。)」
「ネズミさん、ここは、どのような場所ですか?」
「あなたはだれ?ここに名前なんてないよ。僕が滅ぼしてしまったから。」
「私は有砂よ。あなたが滅ぼした?なにを言っているの?(なかなかおかしなことを言うネズミね)」
ネズミはそこまで聞くと、なにも言わなくなった。有砂はそんなネズミの態度が気に入らなく怒った。
「まったく、なによ、人の質問に答えなさい!」
ネズミは全くもって反応がなくなった。さすがの有砂も諦めたのか、無視をして先へと歩くことにした。しかし、有砂が通り過ぎていくと…
「僕に生きている資格なんてないんだ。この世界を壊してまで…。」
「なによ、自分から無視したんじゃないの。もう知らない、信じらんない。バカねずみ!」
本当に初対面の人間へひどい対応である…。
そうこうしつつ、有砂は赤い海のほとりから離れてどんどん、森のほうへと歩いて行った。