転校生は超美少女!!
――現代――
現代と云えど、この世界とは違う……。…つまりパラレルワールドといえる世界……
能力を持つものが次々とマフィアとして生存している世界……
これは、こんな世界の、とある物語――
―――俺の名は立木要。
成行高校2年だ。…って、誰に話してんだ?
まぁいい。きっと誰かは見てるなりしてるだろうからな。
俺はマフィアとか全くもって無縁な――つまり能力を持ってない。…とは思う。後から能力が生まれる奴もいるらしいからな。
さて、こんな事を考えてるのには訳がある。それは……
「なぁなぁ!今日転校生来るらしいぞ!」
「本当か!?男か?女か?」
「女子ならいいよな…ぐへへ」
「おいお前少し自重しろよ」
「でもよ、女子が良いってのは俺ら全員思うことだろ」
「「あぁそうだな」」
「何ハモってるのよ?きっもーい!」
「転校生かぁ…。イケメンが来たらいいよね~」
「そうだよねー!このクラスの男子皆ダメダメだもん」
「「なんだと!?」」
「男子ハモるな!きしょいから!」
「きしょいとかキモいとか言うなよ!」
「じゃあハモらないでよ!」
「「でも自然とさぁ…」」
「「ハモるなー!」」
………相変わらずうっせークラスだな…。
というわけで転校生が来るらしくてな、おかしな噂が流れてるんだよ。
――転校生はマフィアだってな。
嘘だとは思うがよ、そうだったら面白いよな。
俺も仲間に…なる気は全くねぇ。
にしても……
「…暇だな…」
「暇だったら俺とトークしよーぜ!」
「………」
いきなり話しかけて来たのは小川徹。
中学の時からつるんでる野郎だ。
「おいおいおい!そんなウザそうな目で見んなっての!」
「そう言われてもよぉ…。ウザい事に変わりはねぇ。」
「グフッ!!そんなストレートに言わなくてもいいだろ!?」
「あーはいはい。」
「適当に返事すんなよ!?」
「皆席に着けー!」
「あ、せんこー来ちまった!じゃーな!」
「あぁ」
こいつ高校入ったとたんキャラ変わったよな…
「えー。皆も分かってると思うが転校生を紹介する」
「男ですか女ですか!?」
「来てからのお楽しみにしとけー」
「勿体ぶらないで教えて下さいよせんせー!」
「もうすぐ来るから待ってろー」
「「「えぇぇー!!」」」
「静かにしなさい!」
「「「でしたら教えて下さい!」」」
(……うるせー…。抜け出すかな…)
と、いうわけで俺は必殺技を使ってこの騒音から逃げる!
ずる……ずる……ずる……
必殺!ほふく前進!
アホらしいと思うが毎回これで抜け出してんだよ!
…ずる…ずる…
よし!もう少し…!
「せんせー!また要君が抜け出そうとしてまーす!」
「何!?こらっ!要席に戻れ!!」
うげっ!?見付かった!?こうなったら無理矢理でも…っ!!
ムニッ
「…?なんだこれ…?」
ムニムニ
「あ、あの…それあたしの胸なんだけど…」
「なぁっ!?」
嘘だろ!?って見上げても胸で顔見えねぇっ!!どんだけデケェんだよ!!
「要確保ー!!」
しまった!?まさかのアクシデントであぁぁぁぁ……
―――――――――――
「くっそー…あのせんこーめ…帰宅部の俺に下校時間ギリギリまで勉強させやがって……」
この傾ぎ川道わりぃからあんま使わねぇが近道だからな…
…にしても、すっげー美人だったな…あの転校生…
サラサラの髪をポニーテールにしてよ、すっげー整った顔立ちでさ、特にやべぇのが触っちまった胸だよな…クラスの一番胸でかかった奴の二、三倍はあったな…。名前は確か、神川美鶴
って言ってたっけか…
「………ん?」
キンッ!!カンッ!!
(もしかして…これってマフィアの戦闘か…?)
「あぶねぇよな…。離れ…ってはぁ!?」
なんでアイツが…あの転校生が戦ってんだ!?
あの噂…本当だったのか…?苦戦してるみてぇだが…どうすりゃいいんだ……?
ブンッ!!ドガッ!!
「が…ぁ…っ!?」
(なに、が……おき…た……?)
―――――――――――
「……っ…う……」
ドゴッガスッ!!
(なんだ……?)
「あっははははははははははは!!」
「楽しいですねぇ!!兄貴ぃ!!」
「あぁそうだね!!お手柄だったよ!クラスメイトを連れてくるなんてさ!」
「ちょうど通りかかってきたんですよ!ラッキーでしたよねぇ!」
(……誰かを…蹴ってる…?)
「………!!!」
(転校生がやられてるだと!?俺のせいか!?
くそ…っ!助けてやらねぇと…!元陸上部の力、ナメんなよ!!)
ダッ!!
「あっ!?兄貴!?」
「くそっ!!今は追うな!……次会ったときなぶり殺してあげるよ…」
「さっすが兄貴!痺れるぜ!!」
―――――――――――――
「はぁっ…はぁっ…」
や、やべぇ…!仕方無くとはいえ女子を…しかも会って間もねぇ奴を部屋に入れてしまった…!!
床はダメだろうからベッドに寝かせちまったが大丈夫か…?
にしても…すげぇ怪我だな……。くそっ!!俺のせいで……!
「……んん…」
「お、起きたか?」
「あれ?ここってどこ…?」
「あー…俺の部屋」
「ふーん…って、なんであたしこんなとこいんのよ?」
「お前俺のせいでかなりヤバイことになっちまったじゃねぇか…」
「あー確かにそうだったわね。んであんたが目が覚めてあたしを助けた、という訳ね?」
「まぁ、そうだな」
「って、ん………?」
「どうした?」
「おかしいわね…。あたしここに人がこないように結界みたいなもん張ってたんだけど」
「は?そんなもんあったのか?」
「えぇ、あたしの能力でね。でもそれを平気で進入出来たって事は、あんた能力者だわ。それもあたしの結界っぽいのを破れる程の強力なね」
「………はぁ!?俺が能力者だと!?ありえねぇって!俺はいたって普通な高校生だ!」
「でもね、あたしの結界っぽいのを破ったのは事実なの」
「そういわれてもよ…」
「だからあんたは能力者決定よ」
「なんでだよ!!」
「はっきり言うけどなんであんたはそんなに否定すんのよ!!」
「今まで普通の一般人だったのにいきなり貴方は能力者だって言われてはいそうですかって言える方が不思議だ!!」
「あたしはすぐ受け入れたわよ!?」
「人それぞれなんだよ!!」
「あっそ!まぁいいわ。話は今度にしましょう」
「なんでだよ!?」
「このままじゃらちがあかないからよ!
あ、次会う日までに制服に100個のミニポケット作ってきて」
「何故に!?」
「詳細は次に話すわ。それじゃ!」
「っておい!?ここは二階だぞっ!………て、軽々飛び降りてどっか行っちまったぞ…
つーかポケット100個って…無理に決まってんだろ……」