4.ギルド
宿から歩くこと1分リウィはギルドに来ていた。
「こんにちわ、ギルドに登録したいのですが」
「此方の紙に名前と年齢と職業を書いてもらえますかー? 」
カウンターにいた女性に声をかけると一枚の紙を渡された。
「リウィさんですね、職業のほうはストライダーで宜しいですね?」
紙に書いてある内容を反復しながら目を細めてこちらを見てくる。
「はい」
「ところで顔を見させてもらっても? 」
「……見せないといけない規則があるんですか? 」
「特にそういう規則はないですよ。個人的な興味だけでしたので」
答えながら女性はカードに書き写していく。
「登録完了です。カードをどうぞ。此方のカードは1回までは無料で支給しますが2回目からは10銀貨お支払して頂きます。ギルドに対しての説明は必要ですか? 」
「御願いします」
「ギルドとは小さな依頼から国からの依頼まで様々な依頼を受諾して依頼を完了することがギルドの活動です。
依頼の種類としては探し物から盗賊の討伐、モンスターの討伐など多種多様の依頼があります。
またギルドに所属する人にはランクがつけられています。これはその人の力量や依頼数の完了によって上下する物です。
ランクとしてはE±/F±/D±/C±/B±/A±/S±/特S までのランク付けがされており、二つ名が付くまでの方となりますとA+です。英雄と呼ばれる方々はSランクまでランクアップされています。
駆け出しの冒険者の方はE-からの開始となります。なお、上ランクの人から推薦状などをもらっている場合は試験を行い暫定ランクを設け試験合格後ランクを確定という形となっております。
依頼の受諾に関してですが自分のランク+1~+2までとなっております。また期限内に達成できなかった場合は罰金があります。
またモンスターの侵攻等での大規模戦闘になった場合ギルド登録者には義務として討伐に参加していただきます。
何かご質問はありますか?」
「盗賊やモンスターの討伐の際、完了の報告はどうすればいいんですか?」
「盗賊の場合は目印になるものがあるのでそれを持ってきてください。山賊などの場合は目印はないと思いますので頭が印となります。モンスターに関しては其方の棚にモンスターごとの情報が載っているので其方を参考にしてください」
「わかりました。説明ありがとうございました」
礼をしてカウンターから掲示板のほうへ歩いていく。
◇E- 庭の草むしり 1日 24銅貨◇
◇E- 薬草の採取 2日 70銅貨◇
◇E- スプリッグの討伐 1日 1銀貨◇
◇E+ ブラックスの討伐 1日 1銀貨◇
◇E+ パープルピーグの討伐 1日 1銀貨◇
掲示板から依頼書を剥がしカウンターへ持っていく。
「すみません、この依頼を受けたいのですが」
「ブラックスの討伐ですね。此方の依頼は討伐後依頼主の元へ運ぶところまでになっていますが宜しいですか? 」
「はい」
「わかりました。期限は明日のこの時間までです」
カウンターから離れ魔獣の本を手に取った。
◇◇E+ ブラックス 体の上部分が白色・下部分が灰色・蹄が黒色 雑食生物 草原地域に生息
食用適正○ 毒素がないため食肉として幅広く食べられている◇◇
「食用のモンスター…ですか。師匠のところのギュウという生き物と類似しているのでしょうか?」
リウィは図鑑を見ながら暮らしていた場所を思い出し懐かしんだ。
棚に図鑑を返して郊外に向かって歩いていく。
目の前に広がる草原の一角に8体ほど集まって草を食べているブラックスを見つけた。
リウィは気配を殺し100mほど離れたブラックスを仕留めに行く。
疾ッ!
前頭部に短刀を投げつけブラックスは体を痙攣させて草原に横たわった。
周りのブラックスたちは驚いたように体を震わせ奥へ奥へ走っていく。
リウィはそれを追いかけようとせずに気配を出し赤色に染められた草原に近づいていく。
ブラックスの前頭部から短刀を引き抜き血を少し抜いた後、足と体を縛り担いで川へ向かった。
草で刀身部分の血をふき取り水で洗い流し石巻と呼ばれる鉱石でできた人口皮で拭い鞘に納める。
ブラックスの頭身を川につけ血を抜いていく。
川の色が戻ってきたところで引き揚げ水を払い落とし体を縛りなおして持ち直し肉屋の元へ行く。
「いやー助かった助かった。この頃は行ってくれる人がいなくて困ってたんだよ。しかも損傷は頭だけってのわ初めてだよ嬉しい限りだ」
肉屋のおじさんが言った。
「お役に立てて良かったです。では私はこれで。」
ギルドのほうへ歩いていく私の後ろで
「ありがとうねー」肉屋のおばさんもお礼を言って手を振っていたことに気づいた。
「依頼を達成してきました」
ギルドに戻りカウンターへ言った。
「あら、早かったのね。カードを出してもらえるかしら? 」
リウィは懐からカードを取り出しカウンターへ置いた。
「依頼完了の確認をしました。御疲れ様でした。此方が報酬となります」
水晶の近くにカードを近づけ確認し報酬とカードをカウンターへ置いた。
「ありがとう」
両方懐に入れギルドを後にして宿へ向かう。
「今戻りました」
「おかえりなさい。夕ご飯はどうします? 」
「頂きます」
「はーい。20分くらいしたら出来るからそこのテーブルにでも座っててねー」
「御馳走様でした」
「はい、お粗末様ー」
「では私は部屋へ戻りますね」
「何かあったら言ってねー」
料理を食べ終わり部屋に戻っていく。
「明日は武器屋・防具屋・道具屋・本屋に寄ってみますか」
ベットに横になりながら明日の予定を考えていく。