2.森の赤化粧
集落を出て歩くこと20分程たった頃…。
「おい、そこのお前」
剣を肩に担いだ厳つい顔の人間が声をかけてきた。
「私のことですか?」
「周りに誰もいないこの状況でお前しかいないだろう」
「私に何か御用でしょうか?」
「この森にエルフたちが住んでいると聞いたがお前は知っているか?知っているなら案内しろ」
「なぜエルフたちの元へ行こうとするのですか?」
「不治の病を治すためにエルフが持っている秘薬をもらうためにな」
「ところで一つ質問をしていいでしょうか?」
「なんだ?」
「どうして私の周りに姿を現わさずにたくさんの人がいるのですか?」
「!?…どうしてそれを知っている」
「たまたまそんな感じがしただけです。残念ながら貴方たちをエルフたちの元へ行かせることはできないようです」
「なんだと?それなら少し痛い目にあってもらうか、何心配するな殺しはしないぞ腕の1本くらいは頂くが。お前たちやっちまえ」
8人の男たちが一斉に襲い掛かってきた。
「私はまだ死ねないので抵抗させていただきます」
正面から剣を構えて突進する2人に眉間にナイフを投げ確認をするまでもなく
左からナイフを持った相手の腕を捻りそのまま首の骨を折り捨てる。
後から曲刀を持った相手には腰の刀で一閃し胴体を斬り、森の緑に赤い液体をまき散らし命を終えた。
「な、なんだ!お前!」
一息に4人もの仲間を失った男が震えながら言った。
「目が見えないのですか?ただの子供ですよ」
「それでまだ私を襲いますか?私としては平和的にいきたいのですがいかがでしょうか?」
「い、いやもう俺たちに戦う意思はない!だから助けてくれ!」
必死に助けを請う。
「分かりました。私も争いは好みません。ですがこのままですと襲われると嫌ですので1本だけ骨を頂いて終わりにさせてもらいますね」
リウィは一言そう言うと許しを請うている4人にゆっくりと近づき、刀を一閃させ森の外へ歩いて行った。
「ま、まて!あ…あ…ぎ…ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ」
男たちの絶叫が森の中を走り、森を赤く染めた。
森の外へ出たところで5人組の冒険者に出会った。
「こんにちわ、ちょっといいかな?」
先頭にいた青年が言った。
「何か御用ですか?」
「森の中に盗賊が行ったらしいんだが見かけなかったかな?」
「それでしたらここから真っ直ぐ行って5分ほどしたところにいますよ」
「います…?貴方が捕まえてくれたのかな?」
「捕まえた…とは言いませんが一様置いておいてあります」
「すまないが案内をしてもらってもいいだろうか?ギルドの依頼なんだ」
「申し訳ございませんが先を急いでいるもので」
「そうか‥すまなかったな。では私たちで行ってくるよ」
「はい、それでは」
入れ違いに冒険者たちは森の中へ入っていった。
「さてどんな反応をされるのでしょうかねぇ」
「そろそろ着くぞ、注意しとけよ」
「分かってるよー」「だいちょうぶー」「おーけー」「あいさー」
「ぅぅ…う」「ぁッあぁ…」
「これは…」
盗賊たちの周りには赤くなっている木々があり、呻いている盗賊が2人いた。
「おい、お前ら…
「タ、助けてくれ…死に…たくない…」 …」
「いったい何があった(という)んだ・・・」
唖然半分恐怖半分で周辺を見る冒険者がそこにはいた…。