ゆめにっき~生死~
私は家族と大きな大きな壁をよじ登っている。越えて越えて・・・、もういくつ目の壁だろうか。
空には絵の具をぶち巻いたように、目に痛いほどの青空。壁には太陽とか、月とか、タロットカードに描かれているような絵が描かれている。
もういくつ越えたのかわからぬ時、足元に底が見えないほどの闇があらわれた。
「これは・・・何?」
震える声で両親に問う。
「この先は何もかも"無"になる。私たちもここに入り、"無"になるんだよ。」
私は背筋がゾッとした。
「嫌だっ!」
私は咄嗟に座り込んでいた。頭を両腕で抱え、幼い子供のようにかぶりを振った。両親はそんな私をなだめ腕を引く。
「行こう。」
私は何度も首を振り、泣いた。