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第2話 守護天使

 《ーゴメンー。ーマジでゴメンー》

「うわ!!この声は!!」

 いつのまにか白くて何もない空間に黒いウエディングドレスのまま立っている。

 《ー我は其方を守りし守護天使ラムウェル。ずっと見守っていましたよー》

「何コレ頭に直接響いて気持ち悪い!!」

 《えマジ?ゴメン》

 《チューニングが悪いのかなー。んっん゛んーあーあーどう聞こえる?》

「あーマシになった。まだちょっと頭痛いけど」

 《それはよかった。では気を取り直して。》

 どこからともなく盛大なコーラスが響きはじめる。

 《我こそは其方を守りし守護天使ラムウェル。貴女のこと、ずっと見守っていましたよ。》

 音楽とともに虹色の光の玉が徐々に表れる。

「何が見守ってましたよだよふざけんな!!てかここどこよ!!!」

 《やめてー蹴らないでー!!》

「何よこれスケスケじゃない!ちゃんと中身出しなさいよ!」

 《ここは彷徨い箱彷徨い箱(ラケス)です。スケスケじゃない。ラケス。あなた方の言葉では、夢、とでも言いましょうか。貴方が意識を失っている間だけ呼び寄せましたので、我も貴女も意識だけです!だから攻撃意味ないってば!やめて!!》

「じゃあこの喋る度に鳴る音楽は何?」

 《BGMです。雰囲気大事かなって》

「そう」

 《やめてー!蹴らないでー!痛くないけどなんかヤダ!!待って分かった!あと五分ほどで貴方はまた目覚めるようですよ!!我の話聞きたくないですか?夢の中を自由に動き回れるんですよ!自称天使の光の玉ですよ??》

 自分で自称天使とか言ってるよこいつ。だいぶ怪しい。

「ふん、。まァいいわよ。続けて?」

 《はい。感謝します。

 貴女は2回の人生で寿命を残したまま17歳という若さで旅立ちました。よって》

「ちょっとまって、寿命を残したまま?」

 《左様です。シルステシアの生もその前の生も、どちらの人生でも、貴女にはまだ十分に寿命があり、運命もまだ続いていた。それなのに》

「まだ生きられたってこと⁉︎じゃあ何で私死んだの?」

 《話を最後までよく聴きなさい。寿命を全うしないのは滅多なことではありません。一度は》

「一度ならず2度までもとか!仕事が雑ねー底が知れるわー!あなた達にとっては大勢のうちの一人かもしれないけど死ぬのって結構怖いんだから!やってられない!!最悪!最低!」

 《話を最後まで聴きなさい。分かっています。だからそれはマジでゴメン。

 いや、一回目の時上に大目玉くらってさー。メッチャちゃんと見てたんだけどね?なんかwwwいつの間にか死んでるしwwしかも皇帝暗殺とかw悪役令嬢かよwwwあれっwww何だっけあれ『黒き強欲の皇妃』だっけwwwファーー厨二病乙www》

「遺言はそれだけかしらー?」

 《失礼。落ち着いて。》

 この辺な光の玉、もとい金玉はどこから声を出しているのかわざとらしく咳払いをして調子を戻す。

 《シルステシアが死んだことで運命が歪み、運命の女神たちからクレームが入りました。そこでなんと、特別措置です!パンパカパーン!運命のターニングポイントまで時間をリリースすることになりました!》

「はー?意味わからないんだけど!リリースってどういうこと?」

「言葉の通りですよ。リリース!巻き戻り!タイムリープ!さっき結婚式に戻ってたでしょう?」

「しかもクレームが原因?じゃあせめて女子高生時代に戻してよ!!」

 《それは無理です。時間が経ちすぎている。運命の糸車はもう戻せない。現にあなたの魂はシルステシアの形をしている。》

「せめて結婚式のもう少し前とかはできないの?そうしてくれたら絶対逃げて長生きするんだけど。もし逃げられなくてもこの真っ黒ドレスだけは回避するんだけど。」

 《それも無理です。今回で可能な限り巻き戻しましたから。》

「融通がきかないのね。あなた本当に天使なの?適当言ってるだけじゃないでしょうね」

 《下っ端天使なもので。できるのは人間へのお告げと上司に板挟みにされることくらいです。マジ理不尽。パワハラ反対。》

「、、。」

 《天使である証明はこの翼と輪っかですかねえ》

 金玉にポンっと翼と輪っかが浮かぶ。

「それっぽいけど天使なんて見たことないし分からないわ」

 《え〜あとはなんだろう》

「え?なんて?」

 《おや、そろそろ時間のようですね》

「まだ聞きたいことがあるんだけど⁉︎」

 《それはまたの機会に。きっと近いうちに逢えますよ。とにかく、重要なことは、あなたは今一度巻き戻るということ。》

「なんてー!?」

 《ーーシルステシア。貴方の歪んだ運命を正すのです。まずはその手にある命を救いなさいーーーー》

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