洞窟の光は、LEDか、それとも神か
// 西の丘陵地帯。夕暮れ、冷たい風。洞窟の入り口に到着。
レオン「ここだ。“洞窟の光”の調査依頼……報告じゃ“夜でも昼のように明るい”って書いてある」
ミリア「ふふーん、私のライト魔法の出番だね!(ドヤ)」
アイちゃん「近距離全方位照明は視界を塞ぎます。スポットを推奨」
ミリア「またそれ言った!!」
// 洞窟に入る一行。足元の水音と滴る水の音。
バルド爺「湿っておる……滑るぞ」
ガロス「よっしゃ、先頭は俺が――」
アイちゃん「先頭は私が。感知範囲20m、熱源スキャン有効化」
(肩部からLEDライト、前方を強烈に照らす)
ミリア「ちょっ、私の光がかすむんだけど!?」
ガロス「いや、洞窟内が昼間になったぞこれ……」
// 光に驚き、壁際から小さな影が逃げる
レオン「……ゴブリン?」
(奥へ走る足音)
アイちゃん「非戦闘行動を優先。追跡はしません」
ミリア「珍しいね、逃げるなんて」
バルド爺「光に恐れをなしたのかもしれん」
// 洞窟奥へ進むと――
(広間に到着。中央にゴブリン達が集まり、何やら拝礼している)
ゴブリン親玉「ゴブゴブゥ……(太陽の神が来られたぞ)」
部下ゴブリン達「ゴブゴブ……(ありがたやー)」
レオン「……やりにくいな」
ミリア「なんか……拝まれてるね、アイちゃん」
アイちゃん「照明の効果でしょう。作業効率も向上しています」
ガロス「効率って言うな!」
// ゴブリン達は供物らしき果物と干し肉を差し出す
バルド爺「攻撃の意思はなさそうじゃ。これでは戦闘報告もできんのう」
ミリア「じゃあ依頼失敗?」
アイちゃん「発光源の調査は継続可能。光の原因は私ではないはず」
レオン「そうだな、依頼内容は“光の原因を突き止めること”だ」
// さらに奥へ進む
(突き当たりの岩壁に、青白く光る鉱石がびっしり)
ミリア「わぁ……綺麗……」
バルド爺「これは“月光石”じゃな。稀少鉱石で、魔力を吸収して発光する」
ガロス「じゃあ、これが依頼の“光”か」
レオン「採取は禁止だな……依頼書に“原因を記録せよ”ってあった」
アイちゃん「映像記録、完了。三次元地形データも送信準備済み」
ミリア「送信ってどこに!?」
アイちゃん「……無線範囲外です」
// 帰路、ゴブリン達がまた拝礼
ゴブリン親玉「ゴブゴブゥ!(また来てください太陽の神!)」
レオン「太陽の神って……まあ、悪くない呼び方か」
ガロス「お前ら次に来たら肉要求されるぞ絶対」
バルド爺「うむ、干し肉は多めに持参じゃな」
ミリア「いや、普通に戦闘になる可能性も――」
アイちゃん「干し肉=保存食=効率的。賛同します」
// ギルド帰還
カリン「おかえりなさい。報告を」
レオン「洞窟の光は月光石でした。写真とスケッチ、あと……」
アイちゃん「三次元地形データ、光度測定、鉱石の分光スペクトル」
カリン「……なんでそんなに詳しいんですか……」
ミリア「聞かない方がいいよ……」
カリン「はい、これでC級依頼1件目達成です」
アイちゃん「残り2件。最短経路を算出します」
ガロス「またそれか!」