00-3. 爆誕! スーパーアイドルBK
「なるほど
で、その下っ端とは言え神様がわしに何用でござるか?」
本当はほとんど納得はしていなかったが、弁慶はいちおう神に敬意を払うことにした
坊主とは言え、日本人は神様に弱い
「そなたの見事な生きざま、そして立ち往生という世にも稀な死にざまに、運営じゃない『上の方』の神様が大変お喜びになってな、スペシャル、いや★7以上の当たりが必ず出る特別なガチャを回して、来世に輪廻転生してもらおうということになったのじゃ」
「話の途中はよくわからんがわしは坊主だから輪廻転生ならわかるぞ
贅沢は言わん、来世は静かに穏やかに暮らせればよいのだ
できれば義経どのといっしょに」
「先ほど義経どのもこのガチャを回したから、うまくすれば…」
「な、なんと
義経どのはどんな転生をなされたのだ?」
「それは個人情報だから言えぬが、★10以上ならそのオプションも叶うかもしれんぞ」
「御府所ん?」
「ああ、もうよいから、早くこのガチャを回せ」
「あい、わかった!
義経どの、どうか待っていてくだされっ」
義経に再会できるとあって期待に満ちて弁慶は、ガチャからくりの取っ手を力いっぱい回した
すると強い光が箱全体を包みゴゴゴゴゴと震えたではないか
「これはどういうことか?」
さすが胆力の備わっている弁慶は動じることなくガチャ神に訊いた
ガチャ神はワクワクが止まらないと言った顔でからくり箱を見つめている
「しばし、待たれよ」
光と振動が収まるとカラカラカラカラと箱の中で何かが回る音がして、丸い球がポロリと落ちてきた
なんと黄金に輝いている
ガチャ神は黄金の玉を拾い上げ興奮して叫び出した
「おおお、大当たりじゃ★10の超超超レアキャラじゃ!」
弁慶にはなんのことかさっぱりわからなかったが、我がことのように小躍りしているガチャ神を見て、何かとてつもなく良いことが起きたのはわかった
ああ、愛しい義経さま
ワタシを来世に連れてって
そして弁慶は現代の日本に転生した
スーパーアイドルBKとして




