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02-1. エルドラァド

ガチャ神が消えると、そそり立つ壁に挟まれたビルの扉が開かれた

目を射抜くかのように一筋のまばゆい光が漏れてくる


(うぉ、これがホストクラブなのか!)


そのビルは黒い壁をライトアップしているが中は黄金に輝いている

そしてドアを開けたのは一人の男


(ちょっとー、すっごい美形なんですけど)


色白細面の美しい少年? いや、ここでは未成年は働けまいから美青年に違いないが、なんちゅう美しさ

思わずぽーっと見惚れてしまった


「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」


「私を、待ってたの?」


「もちろんですBK様、僕はクロウさんに付いてるアツシと言います」


「ああ! あなたは」


彼は唇に指を立ててウィンクした

野暮は言うなということか

何故かは知れぬが私にははっきりと彼の正体がわかったのだ


「さあ、どうぞ」


優雅な仕草で私をエスコートするアツシくん、そして光り輝く通路を抜け重そうなドアを開けると、中はぐっとシックで上品な内装のサロンだ


(わ、ちょっと高そう

 でも今日はご招待だし、初回特典とかでなんとかなるかな)


いままで行ったお店は高級店と言っても、ホテルのレストランか個室の焼肉店くらいなもの

もちろんそれだって社長やご贔屓様のご接待にくっついていくだけで払ったことなんてない


給料制のアイドルのカード限度額など知れているが大丈夫だろうか

これはネットで予習すべきだったかぁ


(いや、しかし、ここで舐められてはいかん

 敵陣を前にして臆する勿れ)


「ようこそエルドラァドへ

 VIPでお待ちかねの方がいらっしゃいますよ」


ドキドキのわしの心中など知らぬアツシくんがそう言って微笑んだ


お待ちかね! もしやクロウ殿、義経さま?

てか、他にいないではないか


うんうんうんと何度もうなずき、フワフワとした足取りでアツシくんに誘われVIPルームへと入っていった

そこで待っていたのは


「おっそーい、BK」


はっぁぁぁ?


「なんでここに?」


「なんでって、私は超常連だもの、ねー、アッくん」


アッくん?


「ちょっ、まみりん」


「あはは、何よその顔、鳩が豆鉄砲ってほんとにそんな顔するのね」


レモンハイ片手にゲラゲラと笑っているのはまぎれもなくまみりん


「待って『まあちゃん』、なんでここにいるの?」


「ふふん、あの神様に会ったわね」


「それでさっきからみんなの前世が見えるってこと?」


「そう、20過ぎるとあの神様が見分ける力をくれるみたいよ、めんどくさいシステムよね」


「なるほど、それでいままで気付かなんだのか」


「うっふっふ、じゃあアッくんはわかる?」


「むろんじゃ、彼は平敦盛どの

 戦国きっての美少年であろ」


「ピンポーン!」


アッくんことアツシが両手を叩いて喜んだ

か、かわいい!


「それにしても人が悪い、知っていたなら教えてくれればいいものを

 クロウ殿のこともご存じだったのであろう?」


「20歳にならないとここに来れないもの、教えたら無理にでも来ちゃったでしょ」


「まぁ、それは確かに」


「未成年のアイドルがホストクラブ通いなんてマズイものね」


やはりすべてお見通しという訳か、さすが知恵者、わしも兜を脱ぐしかあるまい

そう、彼女こそ鎌倉幕府存続の立役者、尼将軍こと『北条政子』どの


わしらは『まぁちゃん』と呼んでたけどね


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