01-7. 鞍馬流薙刀術! なんちゃって
「鞍馬流薙刀術一の型、明月」
正面への突き
「鞍馬流薙刀術二の型、斬月」
左肩からの大外刈り
「鞍馬流薙刀術三の型、水月」
腰高さの薙ぎ払い
「鞍馬流薙刀術四の型、鏡月」
左右への振り下ろし
「鞍馬流薙刀術五の型、望月」
首の高さ360度の薙ぎ払い
「鞍馬流薙刀術六の型、落月」
正面、振りかぶっての振り下ろし
さらに頭上で3回の大回旋、からの打ち下ろし
「鞍馬流薙刀術七の型、弓張」
ここで1回転してスイカをぱっかーん!
「やぁっ!」
気合一閃ポーズを決めて、ウィンク!
どや、かっこええやろがい
15秒のショートムービーにピッタリ収まったぞ
「BKにこんな特技があったとはね、伊達に刀・愛してないってわけだ
ちょおっと鬼退治アニメみたいだけど」
振付さんも呆れ、いや感心しておるな
「衣装なんだけどここは敢えてエロ封印で、本格的な羽織袴でいこうと思うの」
「エロってw、確かにマトモにやったらまみりんの熱狂的ファンには勝てないものね
女性とか刀・愛ファンとかも巻き込むのはいい手だと思う」
「まみりんはパジャマ早着替えかな、あれはに勝つのは難しいわあ」
「あのこはセルフプロデュースができるから強いのよ」
「だよね~
グダグダ言ってもしょうがない、これで勝負よ、まみりん」
あの謎の包みが届いたとき
気合もろともケースを開けると、深紅の絹にくるまれた美しい薙刀が現れた
かつての我が愛刀「岩融」むろんレプリカである
あまりに生き写しの出来栄えに我はおののき、そおっと持ち上げた
刃こそついてはおらぬものの、持ち手の太さ、重さのバランス、細部の飾りに至るまで本物と違わぬ精巧さ
立ち上がり、トンと床を叩けばかつての戦場が蘇り、鬨の声が聞こえる
(出陣じゃ!)
「きゃぁ」「すっごい」「BK、超似合うんですけど」
メンバーみんな、まみりんさえもが褒めそやす
価値はわからずともその美しさはわかると見える
「BKの刀剣好きを知っててこれ贈るって、相当のファンよね」
(これは、こんなことができるのは)
そう、あのお方
義経さま以外にはおられぬ
やはり、お近くにいらっしゃるのですね!
「送り主はファンクラブナンバー9、だって」
ナイン? 9番? 九郎義経さま!
もう、絶対そうよね、なんで名乗ってくれないのかしら
ああ、ややこしい、おっさんなのに乙女心がうずきよるぅ




