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魔導書に転生したけど読まれたら即チート発動  作者: 暁えいと∞
第1章『書物の魂』
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第8話「目覚めた者たち」

その夜――エルズフィアの各地で、異変は密かに連鎖していた。


***


深い森の奥、月明かりが葉の隙間から差し込む静寂の空間。


そこに佇むのは、長い銀髪を背に垂らしたエルフの女性――ソフィア・グリーンリーフ。


彼女は大樹の根元で目を閉じ、自然の息吹とともに深く瞑想していた。


「……目覚めたのね。“第十三”が」


小さく呟くその声に、周囲の木々がわずかに震え、足元の草花が光を帯びて揺れる。


彼女の手元には、緑に輝く魔導核の欠片。古の力を秘めた“自然の記憶”。


それが――淡く光っていた。


「……また、同じ過ちを繰り返すわけにはいかない」


ソフィアの目が、静かに決意を宿す。


***


一方、山岳地帯の岩肌をくぐるように広がる鍛冶場。


金床に火花を散らせていたのは、筋骨隆々のドワーフの職人、グラム・アイアンハート。


「ん……?」


鍛造していたハンマーが急に共鳴し、カンッと異音を放つ。


驚いて炉の奥の石扉を開けると、その中に収められていた“鋼の魔導核”が、微かに脈打っていた。


「ちぃとばかし、騒がしくなりそうだな……」


グラムは厚い眉をしかめながらも、どこか懐かしげに空を見上げる。


そして彼は、棚の上に置かれた一枚の肖像画に目をやった。


それは、まだ幼かった頃の娘――ミラ・ノックスの若き日の姿。


「ミラ……お前にも、知らせておかにゃならんな」


***


“第十三の魔導書”の目覚めは、静かに世界を動かし始めていた。


その力が、再び“核”を巡る争いの引き金となるとも知らず――

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