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バトル大会とその景品

 強化合宿一日目の午後3時。 


 たっぷりと練習したあとは、お待ちかねのおやつタイムだ。

 アプローチ練習場の芝生に座り、カエデと瑠利が運んできた美里の作ったシフォンケーキに舌鼓を打つ。


 合宿といっても、そこは若い女の子たち。

 甘い物を食べてまったりすれば、元気も回復。


 30分の休憩を終えて、再び練習再開。


 一年生の四人は練習場へ。

 残る団体戦のメンバー五人で、恒例のバトル大会だ。


 ルールは簡単。

 陸斗が指定した場所からのパター勝負五本と、アプローチ勝負を五本。

 その1位回数で順位を競う。


「優勝賞品は……そうだな、夜にゴルフ中継の録画を見るので、その時にリクトを自分の前に座らせて抱っこできるとかは、どうだ?」


「ええっ!?」


 咲緒里の案に、驚いた声をあげたのは陸斗だけ。


「えっ、ほんと?」


「おお、豪華」


「サオリ姉、いいの?」


「リクくんを抱っこかぁ。がんばろっと」


「うむ、異論はないようだから、決まりだな。まあ1位だけというのも味気ない。2位にも短い時間だけ許可をしよう」


「「「「やったー!」」」」


 とまあ、あっさりと豪華な景品にされた陸斗。


「すまないが、リクトも協力してくれ」


 そう咲緒里にお願いされれば、「うん、わかった」と素直に返事をする。


 一般的な思春期の男の子であれば、そういった状況を恥ずかしがるもの。

 けれど、昔から詩穂やカエデ、咲緒里といったお姉さんたちに囲まれていた陸斗は、スキンシップに慣れていた。

 おまけに、今は海未や彩夏、明日花と。更に増えている。


 そんな女の子たちばかりの花園に、ポツンと混ざる陸斗はある意味勇者だ。


 同世代の男の子たちが見れば、羨ましがられるはず必須である。


「さあ、始めるぞ」


「「「「はい!」」」」



 こうして始まったパター勝負とアプローチ勝負は瑠利の圧勝かと思いきや、思わぬ伏兵がいた。


「ちょっと、りん。少しは手を抜きなさいよ」


「ふふふ、カエデには負けん」


「りんさん、上手いです」


「まさか、りんが優勝するとは……」


「流石はりんちゃん。ジュニア時代からの経歴は伊達ではないわね」


 と、優勝は五回勝ったりん。


 アプローチやパターといった細かい技術は、やはり経験がモノをいう。

 これまでジュニア時代に散々競技へ参加してきたこともあり、感覚に優れていた。


 そして二位は三勝の瑠利。


 あとは咲緒里と陽菜乃が一勝づつ。


 カエデは欲望が溢れすぎてて、ダメダメだった。


「ほんと、おまえはリクトが絡むと、どうしようもないな」


「ううう、ごめんさい……。だから、少しご褒美を分けてください」


「……ダメだ」


 そんな、懲りないカエデであった。




 こうして楽しいお遊びもありながらも、厳しかった合宿初日は過ぎていく。

 夕食の後は、録画してあった女子ゴルフの中継を、みんなで見る。

 その間、りんと瑠利に抱っこされていた陸斗は、ちょっと落ち着かない様子であったが、景品であるから仕方がない。

 ただ、一年生を含め、皆が『明日こそ私が』などと思われていることなど、知る由もなかった。





 そして翌日。


 朝の五時に叩き起こされたゴルフ部のメンバーたちは、一人だけ実家へ帰らされたカエデを含め、みんなでボール拾いと練習場の開店準備を手伝い、朝食へ。


 昨日の部屋割りは、一年生の四人が女子寮の空き部屋へ二人ずつ。そしてりんは瑠利の部屋へ。残った咲緒里と陽菜乃は母屋の空き部屋、詩穂の隣の部屋を使った。


 ちなみに彩夏と明日花は一緒に女子ゴルフの《《研修会》》に参加していて、留守である。

 高校を卒業した彼女たちにも戦う場所は用意されていて、そこで経験を積み、プロテストへと向かうのだ。


 ということで、朝の忙しい時間が過ぎたら、練習開始。


 昨日と同じようなローテーションで、二日目、三日目と練習を続け、その成果を試すべく、更に二日後、春乃坂ゴルフクラブをラウンド。


 彼女たちは本番を迎えるのだった。


 







ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。


一日目を丁寧に書いたので、残りの二日は後ほど。

大会中にエピソードとして描写される予定です。


そして、次はリクトのお誕生日。

7月30日のお話。


それが終われば、いよいよ第二部のクライマックス。

地区大会へ突入。


ちょっと長くなる予定なので、申し訳ありませんがお付き合いください。

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