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第5話 始まりの追憶 1

主人公の一人称視点から、説明回が続きます。

説明はどうしてもグダりますが、大まかに過去こんな事があったんだな、と思って頂ければ幸いです。

 おはようございます。エリンシアといいます。

 異世界転生をしてきた5歳の女の子です。


 今では言葉も環境も理解出来ているけれど、未知に囲まれたこの数年間はとてもとても大変だった。

 言葉とかを習得していく中で女の子らしく育ったけれど、気付けばもう30歳の男としてはなかなか微妙な気分……


 男から女になったのに簡単に受け入れたのかって?

 そりゃあ……いきなり充分成長した女性の体に変わったら色々とヤバかっただろうけど、赤ちゃんだったからな。


 少しずつ受け入れて当たり前に思えてるし、ごちゃごちゃ言ったって体が女で心が男なのは変わらない。

 将来的にこの精神がどう変わるのか不安はあるけど……まぁその辺はとりあえず気にしないように置いておこうかな。



 で、まず生まれて1年くらいずっと死にかけてたらしい。

 残念ながらその頃の事は自分でも殆ど覚えていないけれど、周りには相当な心配をさせていたみたい。

 やっと落ち着いた頃に、ファンタジーな世界に生まれ変わった事を理解した。


 最近はこの不思議な世界について学んでいるところだ。

 やっぱりファンタジーらしく魔法や魔物なんてのが当たり前に存在してる。

 基本的には前世と殆ど同じみたいで、よくある中世的な世界ではないみたい。


 だって普通に発展してるんだよね。

 上下水道は整ってるし、街は結界で護られて安全で綺麗だし。

 化学ではなく魔法を土台に発展していて便利な道具が沢山だ。

 仮に俺が専門知識をたっぷり完璧に蓄えていたとしても、技術チートなんて出来なかっただろうな。


 違う点と言えばやっぱり人かな。その辺に色んな種族の人が居るんだけど、種族で別れて生活なんてのも基本的にしない。

 こういう世界お約束の種族差別も殆ど無いらしいし、良い世界だね。


 ちなみに俺はエルフ。白い髪と肌で、青と緑が混ざったような色の目をしてる。

 髪は母から、目は父から遺伝したっぽい。



 まぁとにかく不思議な事に溢れた世界だ。

 好奇心が湧きあがって手当たり次第に動いて見て聞いて、勉強ついでに遊んでる。

 ずっと死にかけてた所為なのか、ちょっと虚弱というのが困ったものだけど。


 いくら幼児と言っても、同年代と比べて成長が遅くて体力が無いし、すぐに体調を崩してしまう。

 色んな事を沢山したいのに、あっという間に疲れて眠ってしまうんだよね。



 そして一番の興味は魔法。まぁ当然っちゃ当然だよね。

 この世界の人達はマナというものを呼吸や食事で取り込んで魔力を生成する。

 で、魔力を使って色んな事をするのが魔法。


 魔力はとにかく重要で、体から魔力が完全に無くなるのは死に直結する。

 だから魔力を使う事は多少なりとも体に負担がかかって疲労するんだ。


 魔法に興味津々な俺は、事あるごとに教えてほしいと言いまくった。

 だけど虚弱な俺は人一倍その負担が大きいかもしれないらしく、まだ早いと諭されてきた。

 もっと成長してからじゃないと、両親としては心配で仕方ないんだろう。実際死にかけていたんだから、それは当たり前だとは思う。


 でもエルフは魔法が得意だから、5歳くらいから学んでいくんだって友達から聞いたんだ。

 そして俺は5歳になって半年は経とうとしている。魔法なんて楽しそうな事、これ以上大人しく待っていられる訳が無い。


 理由は分かるけど気持ちは抑えきれない。

 なんとかして早く教えてもらえるよう、お母さんに直談判。

 子供らしくちょっとワガママを……ああだこうだとそれっぽい言い訳をして頼み込んだ。


 随分困らせてしまったが、とりあえず昼から一通り魔法を教えてくれるということで落ち着いた。

 心配する両親の気持ちを理解した上で無理を言ったという罪悪感が凄いけどね。


 だけどそんな罪悪感はお昼ご飯と一緒に無理矢理飲み込んで、今から魔法の授業だ。

 これで魔法が使えると思うと……期待に胸膨らませて、早く早くとお母さんの手を引いて庭に向かう。


 ああ、夢の魔法……ワクワクが止まらない!

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