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第29話 お風呂 2 まだまだですよ

 今日1日の事を話したりしながら食事をした。

 いっぱい食べようって意識はあるけど、元から小食だから大した量は食べられなかった。


 基本的に好き嫌いが無い事を褒められたり、リーリアが張り合って嫌いな食べ物を克服しようとしたり。

 今後の事、学校とかの話をして賑やかだった。


 リーリアは残念そうだったけど、食事の後で一緒に勉強してみたら納得したようだ。

 しかも同い年の私に――見た目の幼さのせいで余計にそう感じたのか、負けていられないと勉強のやる気が上がったらしい。


 変な方向に捻じれたりしなくて良かった。これだけでも良い子なんだって分かる。



 両親が居ないのは……聞けなかった。部屋すら無さそうなのはきっと……

 その所為もあって私に親身になってくれているのかもしれない。


 いや、もしかしたら何か理由があって離れて暮らしている可能性もあるけど、それはそれで複雑かもしれないし聞きづらい。



「そういえばセシリア……さんはいつまで居るの?」


 ふと思った事を聞いてみる。


 ていうかセシリアもリリーナも、私は直接呼んだことが無かった。

 つい呼び捨てしそうになって、一応さん付けで呼んだけど……


「もう少しかな。シアちゃんが寝たら帰るつもりだよ」


「私もどうするか聞いてなかったけど……そうだったの?」


「うん。ところでー……シアちゃん、お姉ちゃんって呼んでいいんだよ?」


 リリーナも聞いてなかったらしい。まぁそれならそこまで遅くはならないだろうけど。

 そしてさっきのリーリアちゃんと同じことを言い出した。お姉ちゃんねぇ……


「は? それなら私がお姉ちゃんでしょうが」


 なんで張り合ってんの。確かにどっちもお姉ちゃんみたいな感じだけど。

 さん付けもちょっと距離を感じるし、呼び捨てじゃダメかな?


「妹欲しかったのー! いいじゃんお姉ちゃん」


「シア、リリーナさんなんて呼ばないよね? もう家族だよ?」


 圧をかけないでほしい。


「や、やだ。呼び捨てじゃだめ?」


「んー……ま、無理強いはしないけどね。呼びたいように呼んでくれればいいよ」


 呼びたくないわけじゃないけども。

 むしろ喜んでくれるなら良いんだけども。


「別にいいけど……お姉ちゃんって呼んでくれたら嬉しいなぁ」


「食い下がるねぇ……」


「だってー……」


 セシリアは不満そう。リリーナも若干呆れてる感じ。

 妹が欲しかったって、そんなにか。


「じ、じゃあ……たまになら、お姉ちゃんって呼んでもいい」


 ちょっと恥ずかしくてそっぽ向いて言う。

 ていうか呼んでもいいって何様だ私は……


「いいの!? やったー! じゃさっそく呼んでみて!」


「ちょっと、セシリアが良いなら私もっ」


 喜んでる……まぁいいか。

 当然2人とも呼ぶとも。たまにだけね。


「ほんとに時々だからね。セシリアお姉ちゃん……リリーナお姉ちゃん」


 とりあえず初めて呼んでみるけど、やっぱり恥ずかしい。

 2人とも随分嬉しそうだ。なんでそんなに喜んでくれるんだろう。


「あたしは? 散々お世話してあげたんだから、あたしもお姉ちゃんじゃないの?」


 なんでルナまで。

 確かに物凄くお世話になってるけど、お姉ちゃんなんて感じじゃないでしょ。


「それはそうだけど……ルナはルナだし」


「言ってみただけだよ。あたしはお姉ちゃんなんて柄じゃないし」


 なんだそりゃ。分かってるならなんで言ったのよ。


 皆と出会ってから――まだ1日しか経ってないけど、ルナもなんだか変わった気がする。

 上手く言えないけど、今までと違う言動をしてる。

 ルナもルナで何か思うところがあるのかな?


 距離が近くなった感じだし、悪い気は全然しない。むしろ嬉しい。



 そんな感じで……勉強していたリーリアちゃんも混ざってやいやい言ってるうちに時間も過ぎて。


 賑やかな中でもまたまた眠気が見えてきた頃、すっかり忘れていたお風呂という物を思い出した。

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