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第24話 お買い物 1 技術チートなんて無理です

 穴があったら入りたい。恥ずかしいなんてもんじゃない。


 結局また泣いてしまった。大人のはずなのに。幼児退行してるのかな……

 よく言うよね、心は体に影響されるとかどーたらこーたら。それにしては今更な気がするけど。


 昔から子供らしく女の子らしく演技してたら、いつの間にか普通に振舞えるようになってた。

 でも心は大人の男のつもりだし、それだけは流石に勘違いでもなく自覚出来てる。


 いや、そんなことは別にどうでもよくって。

 あの後、真っ赤な顔のまま改めて確認した。このまま皆にお世話になりながら、ゆっくり好きなように暮らしていく。


 とは言え、この世界を思う存分楽しむって目的はそのままだし、結局はいつかルナと旅に出るつもりだ。

 ただそこに至るまでは、焦らずこの街で皆と楽しく暮らしたいって思った。

 出来るなら皆と旅に出てみたいものだけど、それは各々の生活もあるし無理があるだろうなぁ……



 考えに考えたけど学校は保留。行きたくなったら行かせてくれるらしい。

 行けば友達を作りやすいのはあるけど、勉強自体は中身大人の特権で充分どうにでもなってしまう。

 知識はまだまだ無くとも知能はあるんだよ。多少はね、うん。


 それにあくまで一律で基本的な事を教える場であって、良い環境があるのなら学校に行かない人も結構いるらしいし。

 足りない知識を学ぶだけなら学校じゃなくても可能だ。だったら、その分の時間で色んな事してみたい。



 とりあえずそんな感じで収まって、その次は物置らしき部屋を掃除し始めた。

 私が寝かされていたのはリリーナの部屋だったようで、新しく部屋を用意する為だ。


 私は全然役に立てなかったけどね。

 最初は自分の部屋の為だしちゃんと手伝ってたけど、早々に疲れてしまった私を見て皆がやらなくていいと気を遣ってくれた。なんか、ごめんなさい……

 それでも人数が居たからあっという間に終わって、大人達は仕事へ戻っていった。



 そして休憩を挟んで、セシリアとリリーナに連れられてお買い物。

 道中、ルナの所為で常に人の目が集まって居心地悪いのなんの。精霊自体が珍しいのに、人と一緒に居るから余計注目されるんだ。


 買うのは生活用品や衣類だね。

 ベッドなんかの家具は掃除の途中で団長さんが買いに走った。

 あの場で一番立場が上の人だっていうのに……むしろだからこそ頼りになる人なのかも。


 私1人分の生活用品なんて大した物じゃないからあっという間に買い物は進んで、後は衣類だけって段階。一番困るやつ。

 なんせ一応は大人の男の意識なのでね、女児の衣類を買うのはちょっとね……



 この世界の衣類は前世の地球と殆ど同じだ。

 いや、地球には居ない動物も多いし、素材は流石に違う物もあるけど……綿とか麻とか普通にあるし、絹っぽいのもある。当然毛皮や羊毛なんかも。


 でも流石にポリエステルとかの化学繊維は見た記憶が無い。

 ゴムも当たり前にあるけど、天然か合成かの区別の仕方なんて知らない。

 というか地球とは違う素材のゴムの可能性もある。


 とにかくそんな感じで、前世と大差ない物が数多くのギルドによって生産も流通もしてる。

 魔法によって整備された街道と、速く移動出来る魔動車のお陰だね。


 あれなんて原動力こそ魔力だけど、タイヤはゴムだし多分サスペンションもある。

 何をどうしてるんだろう……そういう専門的な事って子供だとあんまり知る機会も場所も無いんだよね。

 これだけ整ってるなら鉄道とかあっても良さそうだし、興味は尽きない。



 しかしまぁ、世界も技術も違っても、同じ様に発展していくもんだね。

 少なくとも私が不自由無く、あまり違和感無く生活できる程度には。

 名前まで色々と同じになってるのは気にしたらいけない気がする。そういうもんだ。


 こんなに発展しているから知識や技術チートなんてお約束も出来やしない。

 そもそもそんな活用できるような専門知識を覚えている訳もないけど。


 そういう仕事に就かずに普通に生きてて、そんな知識を大量に正確に記憶してる人って居るのかな。

 身近な道具1つ取っても、具体的な説明が出来る自信は無いよ、私は。



 まぁそれはさておき、様々な衣類を取り扱う店に来た訳だけど。

 これがまた大変なんだよねぇ……

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