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第20話 温もり 3 私がしたいコト

「けぷっ」


 もう食べられない。

 朝ご飯――もう昼前だけど、頑張って詰め込んだ。

 久しぶりのちゃんとしたご飯は凄く美味しい、んだけど……セシリアもリリーナも食べろ食べろと言ってくるどころか、食べさせようとしてくる。


 流石にあーんってされるのはちょっと……お世話になってるのと善意なのが分かってるから2人の好きにさせてるけど、もう勘弁。


「シアちゃん、もうお腹一杯?」


「シア、口元汚れてる」


 もうっていうかとっくに満腹です。ちょっとお腹膨れちゃってるよ。

 昔から小食だし山でもあまり食べてないからさ、物理的に入らないんだよ。

 というかまず、遭難してたらしい弱った子供に、急に沢山の食事は無理だと思い至ってほしい……


 セシリアは最初からそんな感じだったけど、リリーナにまでもう完全に妹扱いされてる気がする。

 むぎゅむぎゅ口元を拭われてる。君そんなんだったっけ?

 妹っていうか、なんかもう保護してきた子猫のお世話をしてるみたいな……


「お子ちゃまのシアにはもう入らないってさ。無理に食べさせても戻しちゃうよ?」


 ニヤニヤ笑いながらも注意するルナ。

 こいつ私が甘やかされて恥ずかしがってるのを見て楽しんでるな。それが目的だったのか。

 でも彼女達を拒絶は出来ない――したくない。


「そ、そうだね……」


「ごめん、つい……いっぱい食べてほしくって」


 謝られてもねぇ……悪気無いのは分かってるし。

 とりあえず甘やかしタイムは終わらせて、この後どうするのかを聞きたい。


 あとお腹一杯だけど最後に飲み物欲しい。

 ミルクミルク……ずっと水しか飲んでなかったから美味しいのなんの。ジュース飲みたい。


「んくんくっ……ぷぁっ……むぎゅ……」


 お腹が限界だから飲むのもちょっと苦しい。そしてすかさず口元を拭いてくるリリーナ。なんなのよ。

 もしかしてこれから毎日の様にこうやってお世話されるの?

 それはちょっと遠慮したいんだけど……


「ところで……これからどうするの? 私、なにすればいい?」


「特にシアちゃんにしてもらう事はないかなぁ……精々、詳しいお話くらい? あとは買い物とか」


「昨日居た人達には、シアが起きてきて元気そうって連絡したから……そろそろ集まってくると思う」


 いつの間に……しかし改めて詳しい話を聴く以外に、特にやることはないらしい。

 まぁそれもそうか。保護して貰ったとは言え、未だ判明しているのは他国の街で全て失くして2年以上彷徨っていたってだけだ。


 歳は今2人には伝えたけど、他に伝えるべきは……なんだろう?

 逆に私がどうしたいかとか?

 年齢的に学校とか行くべきなのか?


「んー……」


 目を瞑って考える。

 私がやりたいのはルナと旅に出る事。悲しい事ばかりじゃない……色んな事を見て聞いて体験して、目一杯楽しむ事。そうして幸せになる事。


 せっかくこんな世界に生まれ変わったのなら、思いっきり楽しみたいってのは昔から考えてた。

 それには1ヵ所に留まるより世界を旅したいし、ルナが助けて共に居てくれているのもそれが面白そうって理由だからだ。


 だからこそルナと長く異常な鍛錬をしてきた。旅が出来るくらいの実力を付ける為に。まだだけど。

 保護されに出てきたのは、単純に最後の機会になりそうだったからだ。私の状態的な意味で。裸は流石にね……


 だけど保護されたからこそ、そう簡単に旅には出れないだろうな。

 わざわざ善意と好意で保護してくれた彼女達が、いってらっしゃいなんて言う筈が無い。それにまだまだ実力も無い。


「んー?」


 人の頭に乗るな、重……くはないけど鬱陶しい。ルナが乗ってじゃれてるせいで頭が左右にふりふり。


 えーっと、それで。旅が許可されるまではこのままここで生活させて貰って、じゃあその間は何をするか。

 勿論鍛錬を続けたいけど、保護者の目がある以上は今までのような無茶は出来ない。

 結局ここでの生活を楽しみつつ出来る限りの鍛錬、しかないかなぁ……学校に通ったら何か得られるだろうか。


「むー……」


「シアちゃん? どうしたの、唸っちゃって」


「お腹痛くなっちゃった? 違うか……なにか考え事?」


「ん……私がしたい事ってなんだろって。助けてもらったけど、どうしたらいいか分かんなくて……」


「あたしはシアと居れればいいけどねー。それだけで楽しいし」


 ルナが頭に乗ったまま言う。なんでさっきから乗ってるんだ。


 ていうかそうなの?

 旅をするって……いや、私とルナは一緒に居る事が楽しいっていうのが根本だし、そういう意味?


「そっかー……でもあんまり深く考えなくていいと思うよ!」


「本当に2人は仲がいいのね。そのあたりの事も相談して決めていきましょ」


「ゆっくり休んで、遊んでさ。それで考えていけばいいんじゃないかな。シアちゃんの歳で悩むことじゃないよー」


 セシリアも諭すように言うけど……なんか含みがありそうな感じ。何か思うところでもあるのかな。

 ま、そうだよね。これから来るらしい大人達の意見を聞くのも大事だし、とりあえず今すぐ決めることじゃないか。。

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