第141話 キャラクター紹介
第1部終了時点での、主要な人物の紹介です。
キャラクターのフルネームは考えていますが、あっても正直邪魔なので必要な時になったら出します。
ここからしばらくは、第1部と第2部の間の話として、ちょくちょく時間を飛ばしながら進みます。
「エリンシア」
主人公。愛称はシア。白くふわふわさらさらな髪、同じく白くぷにぷにもち肌。薄い青緑色のぱっちりした目。
体は貧弱で成長も遅いが元気で活発なエルフの女の子。
前世は少なくとも幸せとは言えなかった25歳の男。
若くして死んだこともあり、色んな事を目一杯楽しみたいと考えている。
それもあり不思議溢れるファンタジーな世界について非常に好奇心旺盛。
恐らく世界最強の防御を誇るが、本人はかなり弱い。
攻撃も満足には出来ない事がかなりのコンプレックス。
最初は両親さえ他人にしか思えなかったが、あっという間に絆された。チョロい。
そんな両親が好きで、子供らしく可愛らしく振舞うようになり、新しい人生に楽しさと幸せを感じていた。
その全てを失う不幸に見舞われるも、大きくて小さな親友と出会い立ち上がる。
何故かそのまま山で修行を始め、2年半を経て服まで失い漸く下山。
幸運にも素晴らしい人達に拾われ、僅か数日で完全に絆された。やはりチョロい。
幼児退行している事を自覚したが最早開き直って受け入れてしまっている。
色んな事を考えつつも、色んな事を経験しながら心身ともに成長中。現在10歳(見た目はもっと下)。
危険だが魅力的な街の外の世界を冒険したいとずっと考えている。
「エリス」
主人公の母。エリンシアと同じ髪、少し垂れた青い目。
休業の予定だったが、色々と手の掛かる娘を見る為に辞めた元ハンター。
生後間もなく死にかけた上、体が弱いままなのにやたら活発な娘が心配で仕方なかった様子。
エリンシアの故郷、アルピナ襲撃の折に彼女を護り死亡。
「アラン」
父。金髪に娘と同じ目。それなりのハンター。出番が無かった人。
娘に対しては心配しているものの、出来る限りやりたいようにやらせていた。
襲撃時に応戦。エリンシアは彼の遺体さえ見る事は叶わなかった。
「ルナ」
襲撃の後、全てを失ったエリンシアを絶望から救った精霊。白い髪で元気なちっちゃい少女の姿。
精霊らしく面白い事楽しい事が好きで好奇心旺盛。
エリンシアに興味を持ち、面白そうだからと世話を焼いた結果仲良くなって一緒に居るようになった。多分チョロい。
名前は無かったが、わがままを言って付けてもらった。
エリンシアに前世の記憶があることを知っている唯一の存在。
全ての魔法を高レベルで扱える実力を活かし、エリンシアのわがままを聞いて異常な鍛錬を支えた。
元からそういう生活だった為、2人での野生生活は純粋に楽しんで、全く苦は無かったらしい。
エリンシアの事を心底大切に想っており、大体の行動は彼女の為と言っていい。
それほどまでに濃密な時間を過ごしたのだろう。
精霊と言えども、独りぼっちよりも誰かと居たかったのかもしれない。
「セシリア」
金髪と青い眼、14歳だが発育はよろしいヒュムの少女。水と槍を扱う新米ハンター。
戦闘センスが高いらしく、環境にも恵まれた為か新米としては一目置かれている。
ただ周りに流され、自分に出来る事だからとハンターの道に進んだ事に今更悩んでいたりもする。
エリンシアを溺愛しているが、まるで保護した子猫を可愛がるかのような扱いだった事を反省したらしい。
若干怪しい言動をするようになったが、純粋な年頃の少女の筈。
「リリーナ」
青みがかったグレーの髪と薄い紫の目。雷と剣を扱うエルフのハンター。
セシリアより1年先輩で15歳だが、まだまだ未熟。技術はあっても実戦で扱えない事を課題として邁進中。
それでも新米のセシリアよりは実力は上らしい。しかしエルフらしく華奢なのでスタイルは負ける。
やはりエリンシアを溺愛するが、セシリアが積極的なので若干控えめにしているつもり。
しかし同様に改めて家族として向き合うように思い直したからか、今後は控えめではなくなるかもしれない。
「リアーネ」
リリーナの姉。エルフらしからぬスタイルの良さだが、それはコンプレックスらしい。
両親が街を出ている為、大人らしく妹達を育て守ろうとしてきた。
むしろ彼女に任せて両親が街を出れるくらいには、元からしっかりしていたのだろう。
ただし無理をしている面もあり、エリンシアとの関わりで本当の大人として成長を始めた。
保護者として見守る立場であろうとしているが、やはりエリンシアを可愛がりたくて仕方ない。
20歳と若いが魔道具技師としてそれなりに活躍しており、実力も相応に高い。
「リーリア」
リリーナの妹。10歳でエリンシアと同い年、しかしあっちが幼い見た目なのでそうとは見えない。
歳相応の少女だが、家庭環境や家族のお陰か随分としっかりした子。
幼い故にエリンシアの事情は聞かされていないが、なんとなく察している様子。
立場的にあまり出番が貰えない若干不憫な子。
「セシル」
セシリアの兄。妹がお転婆だからか、兄として立派であろうとしている。
事実20歳の若さで、贔屓目無しで団長達に目を掛けられる程度には人柄も実力も買われている。
氷と大振りな剣を扱うハンター。強さを求めて成長中だが、父達のようにムキムキになりたくはないらしい。
妹が積極的なので、1歩退いてエリンシアと関わっている。その所為で彼女からの覚えはあまりよろしくないかも。
多分やろうと思えば同じく立派な兄として関係を作れる筈。
「ヴィクター」
ギルド『赤竜の牙』の団長。実質、街のハンターのトップと言っていい立場。
どうやら父から受け継いだらしいが、ちゃんと実力で就いたので問題は無い。ハンターは実力主義なのである。
男衆の中で最もエリンシアを可愛がっているおっさん。
しかしバキバキムキムキな大きな体で幼い少女を可愛がるのは、傍から見るとちょっと危ない。
炎と大斧を豪快に扱うヒュム。この街どころか国や世界で見ても上から数えた方が早い程度の実力。
ただしそういった実力者は各街に散らばっているので、この街が特別強い人が多い訳では無いようだ。
「フェリクス」
セシリアとセシルの父。この街では団長に次ぐ実力者であり、まさに副団長を務めるおっさん。
団長程ではないが逞しく鍛えられた肉体を持ち、風と大剣を扱う。
火力的な面では、文字通り炎を扱う団長や魔法に特化したダリルよりも劣る。しかし出来る事は一番多いらしい。
2児の父として、エリンシアを当然のように可愛がるが表に出さない。
充分な稼ぎがある筈だが、あれば使ってしまう性格のようだ。そこが合ったからか、妻も同様。
その所為で一家揃って金遣いが荒いものの、必要な分はしっかり取ってあるので問題は無いらしい。
「ダリル」
リリーナの師である、雷と剣を扱うエルフのハンター。
同じエルフ同じ属性で才能を見出した事から、リリーナを弟子としてのんびり鍛えていた。
そんな弟子の熱願から今はスパルタに方向転換。
一応は上2人に次ぐ3番手だが、あまり拘りは無いらしい。長年仲良くやってきただけで、今の立場はたまたまの物。
研究者気質で好奇心旺盛。ある意味エリンシアとルナに一番性格が合っているおっさん。
色んな意味でエリンシアを気に掛けるが、ちょっとズレる時がある。
「ユーリス」
団長の息子。今は学生の身、今年卒業でそろそろ14歳。
偉大な父の背を見て育ったからか、どうにも色々と考え背負ってしまっている模様。
しかし捻くれてはおらず、性格は実直で直向きな少年。
地属性の魔法は出来る事が多く、使い勝手は良いが難しい。それでも歳相応以上に扱えている上に剣の鍛錬も欠かさない。
恐らくは卒業後、忖度抜きに父のギルドに入るだろうが、団長の息子という立場からなる周囲の目などでどうなるかは分からない。
嫉妬からかエリンシアに絡んだが、事情を聴いてすんなり受け入れた。
同情してしまっても友人として仲良くしようと、あえて彼女に合わせて弄られている節がある。
しかし年頃の少年らしく、複雑な事情を抱えた可愛い女の子に対して内心はタジタジ。
「マーカス」
団長にグリフォンの件を伝えた筋肉の塊。常に上半身裸でボディビル気分で見せつける変態のヒュム。
しかし誇りを持って見せつけるだけあって、その肉体は素晴らしい。
人並み以上の弛まぬ努力と鍛錬を当たり前に長く続けられる程の精神力を持っている。
更にハンターとしての実力は団長以上で、この街では最強。ギルドが違って良かった。
ただしどれだけ鍛えても、筋肉だけの体ではスタミナが少ないらしい。短期決戦型と言えるスタイルで戦うからか、長期戦は苦手。
せっかく出てきたのに出番が消えた人。




