2.キャラクター作成その1
意識が覚醒し、気付くと私は石のタイルで作られた大きな六角形の床の中心に立っており、辺りを見渡すと壁はなく真っ白な空間が続いてた。
「何にもないけど、ここがキャラクター作成の空間かな?」
本当に何にもないのか不安になり、きょろきょろと辺りを見渡していると機械的な声が聞こえてきた。
”ようこそ、Fantastic Ark Onlineの世界へ、この空間では、貴方の分身――依代の作成を行うことになります。”
あばたー?たぶん、自分が操作するキャラクターの事だよね、FAOだとプレイヤーはアバターって呼ばれてるのかな、覚えておこう。
”サポート機能を使用して依代の作成をしますか?”
サポート機能? サポート機能って何だろう? 説明書には書いてなかったけどな‥‥わからないからどんなのか聞いてみよう!
「すみません、質問いいですか?」
”ご質問をどうぞ”
「サポート機能って何ですか? 説明書を呼んだんですけど、そんな単語はなかったです。」
”サポート機能とは、ノンプレイヤーキャラクター、通称「NPC」が依代の作成を補助します。”
”補助内容は単語、用語の解説、アドバイスなどになります、気になることがございましたらNPCに尋ねてください。”
マジですか、用語とか態々ヘルプで調べなくても教えてもらえるのですか。
VRMMORPG初心者の私にとっては、調べる手間が無くなるのはとても助かる機能です、ぜひ使わせていただきましょう。
「サポート機能を使いたいです!」
”サポート機能の使用を確認、担当のNPCを召喚します、以後、NPCがお客様のご対応を行います、よき旅を”
アナウンスを最後に、マイクのスイッチが切れるような音が聞こえ、次に目の前で光が集まっていくのを感じました。
真っ白な空間で光が集まってるのが解るって凄いなっとか変な感想が頭の中をよぎっていると集まった光の中から女の人が現れたのです。
現れた女の人は、乳白色の髪をポニーテール、切れ長い目に長身でモデル体型‥‥クール系の美人さんですね。
『貴女様の担当をさせて頂きます、セレネーといいます、短い間になると思いますがよろしくお願いしますね』
「はい、よろしくお願いしましゅ。」
あまりにもきれいな笑顔で自己紹介されたものながら、緊張して噛んじゃいました、恥ずかしいです、これ絶対顔が真っ赤だよ‥‥
『ふふふ、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、何も畏まる事もございません、自然体でいてください。』
「うう‥‥ありがとうございます。」
気を使われてしまった、最近のAI凄い‥‥
『ふふふ、可愛らしいマレビト様、貴方の様のお名前を教えてくださいな。』
まれびと?ってどういうこと?っと思った瞬間、目の前にポップアップウィンドが表示されました。
内容を見ると「プレイヤー名を決めてください」ですか、この場合は実名じゃない方がいいよね。
安直だけど、苗字の順番を変えて「ルクス」でいいかな、複雑で長い名前より、あっさりと呼びやすい名前がいいよね。
えっと登録は‥‥音声入力可って書いてあるから、セレネ-さんに言えばいいのかな?
「私、ルクスっていいます。」
『ルクス様ですね、改めまして、ようこそいらっしゃいました、私たちはルクス様を歓迎いたします。』
『名前も教えていただきましたし、次は依代の作成に映りましょう。』
無事登録できたようですし、次はいよいよキャラクター作成みたいだね。
『まず、なりたい種族を選んでください、一覧はこちらになります。』
え、種族選べるの? 確かにPV動画でいろんな種族がいたけど、NPCだけだと思ってた‥‥どんな種族があるんだろう?
折角だから人間以外の種族になってみたいなっと思いつつ、一覧が表示されたポップアップをチェックっと。
下記から選んでください。
・人間種
・妖精種
・獣人種
・翼人種
・竜人種
・魔人種
・ランダム
おお、意外と多い、こんだけ多いといろいろと違いがあるのかな?
ランダムって言うのも気になるし、よし、セレネーさんに解説してもらおう。
「セレネーさん、すみません、種族の解説をお願いしてもいいですか?」
『はい、もちろんいいですよ。それでは一覧の上から順に説明していきますね。』
『まず、人間種ですが、この世界で一番多い種族になります。能力は平均的ですが、鍛え方によって様々な分野で頭角を現せられる力を秘めています。』
ふむふむ、人間種は、バランス型で育て方によって強くなれるってことかな?
『妖精種ですが、属している属性で分化しており、例をあげるならエルフ、ドワーフの方がこの種族になります。』
『属している属性の魔法の扱いに長けおり、手先が器用な方も多いです。彼らが作った木工や服飾、武具などはとても人気が高いですね。』
私でも知ってる種族だ、よく物語や他のゲームでも登場するし、ものづくりが得意な描写が多いからFAOでも同じ扱いみたい。
『獣人種は、動物の耳と動物の尻尾を持つ種族ですね、一族よって特徴が分かれますが、基本的に物理攻撃、防御が高く、脚が早い方が多い種族になりますね。』
獣人さんは物理面で優れてるみたい、一族の特徴ってことは、猫の獣人さんなら素早くとか、熊の獣人さんだと力強くかな?
『翼人種の方は。天の使いと呼ばれている方々です、特徴としては肩甲骨あたりから大きな羽毛の翼が生えています。』
『魔法の扱いに長けており、特に支援、回復魔法や支援効果が歌による強化が得意なんです。』
こちらは天使さんっぽい感じですね、サポート特化みたいな感じですね。
『竜人種は、鱗に覆われた尻尾と瞳孔が縦長が特徴ですね、身体能力はとても高く、息魔法などを扱います。』
『強くなれば、扱いが難しいですが魔眼とか使用できる強力な種族ですが、自分が得意とする属性の反属性に弱くなる性質があるので注意が必要です。』
竜人種は強い分、弱点があるっぽいですね、どこまで弱点をカバーできるかが限りになりそうですね。
『魔人種は、側頭部から羊のような捻じれた角が生えており、人によりますが肩甲骨か腰あたりから膜状の翼、先が矢じりのような形した尻尾が生えておりますね。』
『魔力が高く各属性魔法を扱えて、弱体化や状態異常魔法が得意ですね、中には呪歌などを扱える方もいますが、魔法に強い分、打撃や斬撃などの物理攻撃には弱いです。』
こちらはサポートもできる攻撃役っといった感でしょうか?
打たれ弱いみたいですから接近されて攻撃されないようにしないといけない感じのようですね。
『最後にランダムですが、先ほど上げた種族のレア種族、上位種族がランダムで選ばれます。』
『ただし先に説明した種族は、ここでは選びなおしが出来ますが、ランダムはすることはできません。』
レア種族に上位種族ですか!
選び直しはできないは、これは魅力的ですね。
『説明は以上になりますが、他にご質問ありますか?』
ちょっと気になったことがありましたし、聞いてみましょう。
「2点ほどありまして、一つ目は鳥の獣人さんは獣人種と翼人種どちらになるのですか?」
「ランダムのレア種族、上位種族はここ以外では慣れないものですか?」
『鳥の獣人種は獣人種にあたります、見分け方としては翼のほかに、尾羽が生えているのが鳥の獣人種、薄く発光する純白の翼なのが翼人種になりますね。』
なるほど~翼人さんか鳥の獣人さんかの見分けは尾羽と翼で出来そうですね。
『ランダムのレア種族、上位種族については、獲得可能ですよ、方法については、自分の足で探してみてください。』
条件を満たせばなれる種族みたいですね、隠し要素かやりこみ要素っぽいですね。
『他に質問がないのでしたら、種族の選択をしてくださいね。』
元々人間種しか選べないと思っていたから、何も考えてなかったし、どうしようかな。
今、選択できる種族もいいけど、レア種族、上位職も魅力だな‥‥よし、ランダムにしよう。
「ランダムでお願いします!」
『ランダムですね、承知しました。』
『ランダムを実行しますね、選ばれた種族依代が目の前に出現するので、確認してくださいね。』
アナウンス後、しばらくとすると光が集まり、冒険者の服と思われるものを着た兎耳が生えた女の子の姿が現れたのでした。