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ポルトガルの大うつけ~金平糖で何が悪い~  作者: キリン
【第一部】第三章 空を飛んだ女
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屋敷にて明智は呟く

更新が遅れた私を恨まないでお願い

「ひゃーっ、立派な城だねぇ」

頭の後ろで手を組みながら、青い浴衣の少女は呑気そうにそう言った。

だがこの城、他の城と比べれば些か小さい、日本特有の装飾やデザインはやはり美しいが、見上げる程大きい日本の城に比べれば小さな建物だった。

組んでいた腕をだらりと下げ、腰に手を当てながら遠くを見る。

「流石は天下人に背いた肝の持ち主だな、俺もこんな屋敷に住みたかったぜ」

あっ、鳥だ。無邪気にそう呟いた後、少女は口笛を鳴らした。

「・・・・・・・立派な城、か」

着物を着た男がそう呟くと、つられた様に口笛を吹いた。

ピィイイッ、美しい音が鳴った瞬間、無反応だった鳥が吸い寄せられるように男の頭の上に乗った。

居心地がよいのか、気持ちよさそうな鳴き声を上げながら、その小さなくちばしで逃避をつついている。

「あなたにはそう見えるか、異郷の神よ」

「は・ん・ぶ・ん!人間だってことを忘れんじゃねぇぞ?」

ひらひらする浴衣姿でぴょんと跳ねる少女、途端に股下がひやりとした。

「ひゃん」

ぺたん、と、思わずその場で座り込んでしまった少女、冷えた股下を両手で押さえる。

その様子が余りにも、普通の女の子に見えたものだから、男は眉を顰めた。

「・・・・・ふんどしは初めてか、まあ無理もないか、女子のふんどしとはそういう物だ」

そう言って男は座り込んだ少女の目の前に手を差し出す。

「・・・・・何してんだ?お前」

股を抑えながら少女は首を傾げた。

「何か、そんなもの決まっているだろう、手を貸しているのだ」

その一言に、少女はどこか笑っていたと思う。

だが常人には分かるまい、男がこの少女の笑みを理解したのは目に映るものではなく、武人の見栄の先にある感情を読み取っただけなのだ。

無限とも、一瞬とも言える間がしばらく続き、少女は笑った。

「莫迦かおメェ、俺は体の部位に名前を残した英雄サマだぞ?んなもん無くても・・・・・」

よっこいせ、と、差し出された手を弾いた後、遠心力を込めて少女は起き上がった。

「起き上がれるんだよ、バーカ」

鼻で笑った後、少女は一人、目の前の屋敷へと向かった。

「・・・・・・・・」

何かを言おうと手を伸ばすが、武人としての心がそれを止めた。

だから、聞こえないように呟く。

「・・・・・・誰かの手を掴めない生き方など、昔も今も変わらないものだな」

別に、悲観的に考えるつもりはない。

ただ、もしも。

彼女が神ではなく、完全な人間に生まれてきたのなら、どんな人生を送るのか。

一人の娘がいる自分としては、それが不憫でならなかった。







あとがき

美味しいものはいつでもおいしいのですよ、作者です。

女の子の心が分からない、そして怖い。

要らないことを言うなよ?嫌われるから。

では、今回の偉人の一言は松本人志さんに言ってもらいましょう。


100点は無理かもしれん。でもMAXなら出せるやろ。


要するに頑張ればいいんですよ頑張れば、納得した人が勝ちです。

クラスで浮いている子がいれば話しかけるべし、大丈夫、きっと楽しいから。

今回の字数 1236


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