表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポルトガルの大うつけ~金平糖で何が悪い~  作者: キリン
【第一部】第三章 空を飛んだ女
51/283

「小話」自分で片づけろ

「……なんで私が朝ご飯なんて作らなきゃいけないのよ」


冷蔵庫から取り出した卵を忌々しそうに見つめながら、ジャンヌは愚痴を漏らした。

先ほど信長が何も言わずに出て入ってしまったため、今この家には自分しかいない。


「まあでも? 卵を焼くぐらい……できるわよね?」


誰に聞いているんだか、誰もいない場所に問いを投げかける。


「……ほんと、アンタが死ぬと違和感マックスだからやめてほしいんだけど」


舌打ちをした後、ジャンヌはフライパンをコンロの上に置いた。


「えっと……ここを長押しして……火がついて……」


思ったよりスムーズに進む自分の料理に満足しながらジャンヌは熱したフライパンの上に油を敷き、卵を割った。

じゅわあっ、と、卵が二つ焼ける音が部屋に響く。

物足りないからベーコンも入れ、出しておいた皿の上に盛り付けた。

二枚の皿をテーブルに置き、椅子に座ったところで気づいた。


「……そっか、アンタもう死んでたんだっけ」


頭をぼりぼりと書きながら、自分の目の前に置いてあった皿を手に取る。


「余計に作りすぎちゃったじゃない、アメリアに怒られるのは私なんだからね」


二枚の皿の上に乗っかってあるものを平ら上げ、ジャンヌはこう漏らした。


「……まあ、アンタがそれでいいならいいけどさ」


かちゃ、と、フォークを皿の上に置き、家に空いた大穴を見る。


「アタシの拳は痛いわよ、地獄で待ってろクソ野郎」


そう言って、ジャンヌは皿を洗い場に持っていき、黙々と皿を洗い始めた。

ただし、二枚のうち一枚は、まだテーブルの上にある、まるで自分で片づけろと言わんばかりに。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ