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ポルトガルの大うつけ~金平糖で何が悪い~  作者: キリン
【第三部】終章 ヴォ―ティガーン
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決戦⑩

私は今、少し乱暴に空を舞っている。

それは首が刎ねられた瞬間、最後に見た空という意味ではない。


錆びた剣が振り下ろされる直前、私の体を拘束する断頭台が細切れにされた。その次の瞬間、私は誰かに抱えられて、こうして宙を舞っている。


下を見ると、困惑と怒りの表情を浮かべているヴォ―ティガーン…それを殴り飛ばしている白い騎士、殴るというよりは、盾を挟んでタックルしているような感じだった。


「待たせてすみません、マーリンさん」


下から上へ、断頭台の景色から、この華奢な腕から見える世界へ。

なびくような金の髪が揺れる、私の鼻の辺りを少しくすぐって、感覚を以て自分が生きている事を教えてくれた。


「今度は、私の番です」


色んな事が一瞬のうちにいろいろ起きて、私の頭の中は、太陽を見た後のように真っ白だった。


ただ、あの大うつけを死なせたこと。死なせてしまった自分なんかを助けてくれたこと、それに対する申し訳なさと、とにかく感謝しかなかった。


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