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ポルトガルの大うつけ~金平糖で何が悪い~  作者: キリン
【第三部】第二章 『傲慢』
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白亜の壁を超える

白亜の壁。不落の王城キャメロット周辺を覆う巨大な壁は、今日も太陽に照らされ、美しい城を放っていた。

しかしどうしたことか、正門付近の一部分辺り、そこだけが赤黒く、錆び臭い何かで汚れていた。

  



しらけることなどできない、それは紛れも無く人の血だった。


「汚ねぇな」


目の前の肉塊を蹴り飛ばす、ゴロゴロと転がっていくそれは、ピクリとも動かなかった。

死んでいるのだから当然だ、俺は自分の愛用する魔剣の血を払い、辺りを見渡した。


抉れた地面、ヒビの入った大地。

戦いによって破壊された美しい風景を見ても、心が揺れることは無かった。


『利益なんて無くていいの、ただそこに有るだけで価値がある、貴方も同じよ?』

「―――」


思わず歯噛みする、自分にこんな人間じみた感情が残っていたことに驚き、呼吸が乱れる。


「……いや、違うよ」


頸をゆっくりと横に振り、首の後ろのフードを被り直す。


「俺は、貴方みたいに優しい人間じゃない、ただの化け物だよ」


折れるぐらい強い握力で魔剣を握る、たまに反応してくれる魔剣は、もう何百年も黙りこくっている。

俺は頭の中の希望をかなぐり捨てた、捨てるしかなかった。


「……ああ」


呼吸を整え、俺は白亜の壁を超えた。

この戦いが正しくないことなど、初めから分かっていたくせに。


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