笑わせんなよ
「……」
完全に迷った。
この島の性質上こうなることは仕方ないのかもしれない、というか存在自体が直接消し飛ばされなかっただけマシ……いや、不幸と言うべきかもしれない。
とにかく、自分は今ブリテン島、そして『憤怒』の魔女の術中にはまったことは紛れもない事実、打開しなければいけないのは変わらない。
「さてどうしたもんか、何かいい案があったら教えてくれよ」
「悪いが、私はただの喋る可愛い動物だ、私の飼い主が泣く前にその手を離してはもらえないだろうか?」
流暢に喋る動物、俺はその冷静さがムカついたので、それをボールのように投げた。
ずがぁん、近くにあった岩を砕き、それだけでは終わらず森に突っ込んだ。
「が……っ」
一回り大きな大木に激突し、オコジョが地面に背を付けた。
普通の動物なら岩にぶつかった時点で死ぬ、だがこの動物は死なない、多少の痛みは感じているだろうが、それでもあまり意味はない。
「お前、血一滴流れてない自分の体見て、それでも自分がただのオコジョだって言い張れるわけ?」
蠢くオコジョの頭を掴み、俺は言う。
「笑わせんなよアーサー王、自分の使命も聖剣も、人生すら放棄した負け犬が」
オコジョをがっしりと掴み、俺は尋問を続けるべく、もう一度オコジョを投げた。




