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キャメロット
「……わぁ」
「……」
目を見開くほど、美しい景色を見た。
力強く大地に根を張った緑、雑草と呼ぶにはあまりにも抵抗があるそれらの表面には、所々水滴が滴っていた。
理想郷、楽園と呼ばれるアヴァロンにも引けを取らないほど美しかった。
「これが、ブリテン島……?」
「まぁね、綺麗だろう?」
不貞腐れたように頬を膨らませるマーリンさん、忌々しそうにある方向を見ていた。
つられて私もそちらを見る、そこには、たぶんこの世で最も美しいものがあった。
「よく見ておくといい、アメリア」
マーリンさんは私の肩を掴み、険しい表情で言った。
「あれがキャメロット、かつて君の肩の上のオコジョが持っていた不落の城であり、『憤怒』モルガン・ル・フェイの根城さ」




