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ポルトガルの大うつけ~金平糖で何が悪い~  作者: キリン
【第二部】エピローグ
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状況整理③

「もしも『編集』が行われれば、この世界は別の世界に上書きされるだろうね、この世界の歴史、いや、この世界が存在していた事実全てが無かったことになるだろうね」


マーリンはそう言って、取り出した本を本棚に仕舞い始める。


彼女の表情は険しい、楽観的な始まりから、絶望的な終わりを迎えた会話だった。


「……全部?」


ジャンヌの震える声に、マーリンは人差し指で本を押す。


「ああ、全部だ、君が救国の聖女と呼ばれるまでの物語も、フランスという国があった事実さえも、全部だ」


本棚の隅に溜まった埃をなぞり、一息で吹き飛ばす。


「『八罪悪』は決して生かしてはいけない」


低く、それでいて一息で言い放つ。


「奴らは罪の象徴、己が欲を満たすためだけに世界を壊す存在だからね」


私は何も言えないけどね、そう言ってマーリンは立ち上がった。


「かといって勝機が無い訳じゃないんだ、二対一、『憤怒』と『暴食』、二つの罪を倒すナイスな方法がある、余りにもシンプル過ぎて方法って言えるのかどうかは知らないけど」


マーリンは持っていた杖で信長を指し、次にジャンヌを指した。


「君たち二人は『暴食』のいるロンドンへ、そしてアメリア、君は私と来るんだ」


俯くアメリアの目の前に座り込み、マーリンは笑う。


「ほーらしっかりしなさいな、私は一人で八罪と互角に戦ったマーリンお姉さんだぞぅ?」


頭をゆっくり撫で、小さな声で言う。


(仲直りしたいならあとでしてほしい、今は一刻を争うものでね)

(っっ)


アメリアの小さな息がマーリンの耳だけに響く、勿論それを悟らせるほど、マーリンは甘くは無い。


「改めて自己紹介だ、私はマーリン、花の魔術師、永久不滅の観測者」


立ち上がり、片足を後ろに下げ、杖を床で鳴らす。


「世界最強と謳われる魔法使い!今日、今此処で本格参戦さ☆」


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