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ポルトガルの大うつけ~金平糖で何が悪い~  作者: キリン
【第二部】終章 色欲雷霆神話 ゼウス
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舐めんなよ

「晴明さんが、敵?」

唖然としか言い表しようがない表情のアメリアに、アキレウスはため息をついた。

「まぁ、そうだろうとは思ってたけどな、何しろあいつからは妻木煕子と同じ匂いがしたからな、殺意と血が滲んだ魂の匂いだよ」

心底気持ち悪そうにため息をつきながら、アキレウスはジャンヌの方を見た。

「まぁ気づいてなくてよかった、あんな所で戦ってたら俺らがやられてたし」

「それは・・・・・どういう?」

目をぱちくりさせているジャンヌの表情に顔面を覆いながら、アキレウスは言う。

「あのな、安倍晴明って言ったら平安時代最強、源氏と同じか、それ以上の実力と権限を持ってる、何の証拠も無い状態で殴ったらどうなる?信長と互角に戦えるような奴が来るんだぞ?俺ならともかく、お前とアメリアが戦えるとは思えない」

冗談でも嘘でもない大真面目な大英雄のその表情に、ジャンヌは言葉が詰まった。

「とにかくだ、俺はこれから晴明を殴りに行く、だからお前らは蘆屋道満とか言うのを任せた」

背を向けるアキレウスの言葉を噛み砕いたアメリアは、アキレウスの服を掴んで言った。

「ちょっと待ってください、まさか一人で戦うつもりですか⁉」

「ったりめーだろ、魔術師の劣化種如きに後れを取るほど大英雄からオンナノコに成り下がっちゃぁいねぇよ」

アメリアの手を振り払い、アキレウスはアメリアを睨みつけ、その後笑った。

「舐めんなよ」

そう言って、アキレウスは爆風と共に走り去って行った。

置いていかれたアメリアは、ちょっと不安そうな顔で歯噛みした。

「・・・・・・怒ってるわけじゃないと思うけどね」

自分より背の低いアメリアの頭を撫でながら、ジャンヌはアメリアの頭を撫でた。

「少しだけさ、かっこつけたかったんだと思うよ」

自分の長い髪を揺らす風を全身で感じながら、ジャンヌは言った。


「行こう」


そう言って、ジャンヌは走り出し、その後を追うようにアメリアも走った。

決戦の地、平安京へと。


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