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ポルトガルの大うつけ~金平糖で何が悪い~  作者: キリン
【第二部】終章 色欲雷霆神話 ゼウス
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『色欲』

実際の所、道満に降り注いだ返り血は晴明の物ではない。

確かに結論から言えば、八罪の力を得た道満に晴明が勝てるはずない、四天王や信長、願わくばアキレウスがいれば話は別だが、

「が、あ」

一つ言えることは、呪い専門の陰陽師である道満が呪われていたということである。

「がああああああああァァア!!!!!」

のたうち回る、自分の皮膚を掻き毟り、長く鋭利な爪がバキバキと音を立てて割れていく。

「何をした!何をしたのだせぇェエいメぇぇえい!」

血走った目はまるでデメキンのように膨らみ腫れ、綺麗な顔は見る影も無く醜かった。

「八罪になっても馬鹿は馬鹿なんだね」

涼やかな声と同時に、晴明の手が道満の頭を掴んだ。

「ぎゃ、が」

「君、自分が呪い返しで死ぬこと、彼女から聞いたんだろ?学習しろよな」

「ガァぁぁぅぁぁあああああ!!?!?」

掴まれただけで苦しむ道満、呪いによる精神汚染もあるだろうが、驚くべきことに晴明の手を振りほどこうと手を動かしている。

だが晴明の呪い返しを受けた道満にはそれは敵わない、力の抜けた腕がだらりと下がり、道満は口から泡を吹いて気絶した。

どさぁっ、気絶した道満を投げ捨てた晴明。

「黒鞘様も困ったお方だなぁ、君みたいな能無しに『怠惰』をお与えになるだなんて………あっ、君だからか」

笑い出す晴明、投げ捨てた道満には目もくれず、後ろへ振り返る。

「まぁ安心しなよ、君の仕事は僕が引き受けるからさ」

そのまま清明は言う、源氏の屋敷を背に。

 

「この安倍晴明、『色欲』の「ゼウス」」、黒鞘様の忠実なる不信の徒がね」


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