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この人生をあなたに

本日2話目。最終話です。

 ミハイルに連れて行かれたのは、可憐な野花が咲く、美しい花畑だった。


「二百年前に初めて出会った花畑に似ているだろう?」


「ええ、懐かしい……」


 さあっと爽やかな風が吹いて草花を揺らしていく。


「ミハイル……それに、カイン。二百年前も今も、私を救ってくれてありがとうございます。貴方がいてくれたから、私はこうして笑っていられます」


 カインは穏やかに微笑んで、ルナリアの髪を愛おしげに撫でた。


「……二百年前、私がミハイルだったとき、君を召還の術から守り切ったら伝えたいことがあったんだ。それを今、聞いてくれるか?」


「はい……」


 カインはルナリアの手を取り、瑠璃色の瞳を真っ直ぐに見つめる。


「ルナリア、私の人生すべてを君だけに捧げる。君がいなければ、生きていけないんだ。心から愛している。私の妻になってくれないか?」


 カインの熱のこもった真剣な眼差しに、ルナリアの鼓動が速くなる。一度目の人生でも、彼は己の人生をルナリアと再び出会うために捧げた。そして二度目の人生も、ルナリアに捧げると誓ってくれた。彼の愛の深さを知り、喜びと、どうしようもなく愛おしい気持ちが涙となって溢れる。


「はい、もちろん……! 私も、この人生を貴方だけに捧げます」


 カインが嬉しそうな、でも泣き出しそうな表情で微笑む。その形の良い唇が、潤んだ瞳でカインを見上げるルナリアの口元へと近付き、ゆっくりと触れ合う。優しく、深いキスだった。


 色とりどりに咲き乱れる花々が、愛し合う二人を祝福するかのように、風に揺れていた。

短いエピローグになってしまいましたが、こちらで完結です。

お読みいただき、どうもありがとうございました!

ブックマークやご評価など、とても嬉しかったです!


新作の『犬派の王子に振られた猫派令嬢は、猫派の国に移住する』を投稿していますので、よろしければこちらもご覧ください。

本作と同じくらいの長さの、ほのぼのラブコメです。


下にリンクを貼っておきますので、よろしくお願いします♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] サクサク進んでとても読みやすかったです。もしかしたらカイル=ミハイルかな?と思ってたらやっぱりそうだったw [気になる点] もっとざまぁwな展開が読みたかった。断罪物は多々ありますがまさか…
[良い点]  いいハッピーエンドだった。 [気になる点]  過去転移刑は帰還されなくても歴史改変されて反撃されそうだし今後はやめてほしいが、それより悪人とはいえ女の子だからなあ。 [一言]  SFとフ…
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