表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/17

決意

「ミハイルさん、おはようございます……」


「おはよう、ルナリア。まだ顔が赤いが、大丈夫か?」


 翌朝、ルナリアの熱はすっかり下がって体調も戻った。今、顔が赤いのは別の理由である。


「だ、大丈夫です! あの、昨日は……」


「ルナリア、愛しているよ」


「…………!」


 何の脈絡もなく、朝から愛の言葉を囁くミハイル。どうやら恋人には甘くなる男のようだ。朝食の準備も、いつの間にか整っていた。

 私もです、と顔をさらに赤くして答え、ぎこちなくテーブルにつくルナリアを、心底愛おしげな眼差しで見つめている。


 朝食を済ませ、食後のハーブティーを飲みながら、ミハイルが切り出した。


「ルナリア、昨日のことなんだが……君は、元の世界に帰らなくていいのか?」


 お互いに好き合っていたことが分かったが、ルナリアが元の世界に喚び戻される日まで、あと一月。今後のことを考えなければならない。


「元の世界にも、君を信じて助けようとしてくれている奴がいるんだろう? それに、ここに残れば家族にも会えない」


(そうだわ、あの魔術師の方は私を救うと言ってくださった……。それに、お父様やお母様、弟達にも、もう会えなくなる……でも、それでも)


「家族や、私を唯一信じてくださった方のことを思うと心が痛みます……。でも、貴方と離れてしまうのが何よりも辛いんです。私は、貴方と共に生きていきたい」


「……分かった。私も君がいない人生は、もう考えられない。君が喚び戻されるのを防ぐ方法を考えよう」


「ミハイルさん、ありがとうございます……!」


「……ミハイル、と呼んでくれないか?」


「え、ミ、ミハイル……」


 ミハイルは、瞳を潤ませながら恋人の名を呼ぶルナリアの手を取り、そっと口付ける。ルナリアはとうとう耐え切れずに意識を手放した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ