「地脈」とドラゴン
この世界には、「地脈」と呼ばれるエネルギーの流れが存在する。ドラゴンは「地脈」のエネルギーを糧に、生存している。古来より、「地脈」は別名「竜脈」とも呼ばれるように、「地脈」のエネルギーを魔力に変え、攻撃魔法、防御魔法、回復魔法を使う事が出来るのだ。
もちろん、食事もとる。基本的には爬虫類のそれと変わらない、肉食である。ただ、量は体の大きさに比例するので、比べ物にはならない。
「地脈」のエネルギーは一年を通して一定ではなく、最も強くなる日が夏の夏至、最も弱くなるのが、冬の冬至である。
ドラゴンは冬至の頃は、ほとんど活動しなくなる。魔力が供給できなくなってしまうからだ。その頃に活動するドラゴンは、基本的に、人の姿に変化している事が多い。
人の姿だと、巨大な魔力を消費する必要がなくなり、普通に生活するくらいなら、何の問題も無くなるからだ。
徐々にエネルギーが供給されると、皆、元の姿に戻る。
この世界のドラゴンの生きる目的は、基本的に「地脈の管理」であり、異常な状態の「地脈」を元に戻す事を使命としている。
「地脈」のエネルギーは、普通に流れていれば、何の問題も無いのだが、止まったり、通常よりも放出しすぎると、環境に悪影響を及ぼす。
ドラゴンは「地脈」の異常を察知する能力が高く、何処かおかしい時には、手を施し、時には流れすぎないように処置する。それが、いわゆる「結界」である。
「結界」には、魔力を帯びた石である「魔石」を使う事が一般的だが、その他に、魔力のあるものであれば「結界」は作り出せる。それは、武器であったり、魔法のアイテムでも可能である。
「地脈」の流れが、滞っている場所は、原因を探して対処する。流れの滞っている場所は、大抵、魔族や魔物、時には人もだが、流れを滞るようなものを作ってしまったり、呪いをかけるなど、人為的な場合がほとんどである。
そういった場所には、地脈に新たな道を作り、阻害するものに影響を受けない結界を施す。これが「封印」と呼ばれる。
魔法の影響を受けないような、魔法的な「結界」や、死者や悪霊を蘇らせないようにする為の「封印」は、存在するが、地脈的なものは、上記の通りである。
ドラゴンはこんな事をいつもしている。
人の姿になると、結界や封印はやりやすい為、ドラゴンは変化する能力も備わっている。
この事は、さすがのカルもまだ知らない。カルが知るのは、もう少し後の話…