表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/100

竜の口その2




  カルが着いた場所は、不思議なところだった。洞窟なのだが、辺りは明るい。洞窟の中の材質から光を生み出しているらしく、灯の代わりになっている。


「ここは竜の口なのかな…」


  カルはそんな事を考えながら、辺りを見渡す。振り返ると、さっきの扉は、もう、消えてしまっていた。洞窟は一本道になっているようだ。カルは先を目指し、歩き出す。しばらく進むと、道が二又に分かれている。その手前に、石像のような物があった。よく見ると、女性を象っている。


「女神像なのかな…?」


 カルはその石像に手を触れてみる。その時、またネックレスが輝き出した。


「うわっ…」


  驚いたカルは、石像にしがみつく。ふと、さっきまでと感触が違うのに気がつく。不思議に思い、感触を確かめる。


  モミモミ…ムニュムニュ…モミモミ…


 突然頭の上から声が聞こえてくる。


「何故、あなたは人の胸をリズミカルに揉んでいるのかしら…?」


「うわぁっ、ごめんなさい、ごめんなさい…」


 カルは、腰の辺りまで、何度も頭を下げる。石像が話しかけるとは、まさか、思いもしなかった。よく見ると、さっきまでの石像とは違い、生身の体の女性だった。


「えっ、えー!?さっきまで石像だったのに…」


 カルは、今更のように驚いた。


「あら、あなたが起こしてくれたのね。胸を揉んで起こすなんて、情熱的ね…」


「あーっ、本当にごめんなさい!」


 また何度も頭を下げるカル…。


「うふ、ところであなたは誰?私はステラ、ここの見張りとか、門番みたいなものかしらね。それにしても、人がこんなところに来るなんて、珍しいわね」


 ステラと名乗った女性は、銀の髪を腰までのばし、とても整った顔立ちをしていた。「美人」を形にすると、こんな感じだと言えるだろう。そればかりではなく、引き締まってはいるが、胸や腰も大きく、女性らしさを象徴していた。


 問題はその服装である。まるでレオタードのような鎧で、胸は露わになってなっており、目のやり場に困ってしまう。腕には小手のようなものを着けていた。


「は、初めまして。ぼ、僕は、キンクウ村のカル・エイバースです。ステラさんは、女神様ですか?」


「そう、カルちゃんって言うのね?うーん、私は女神とは違うわ、まあ、神様の血は流れてるけど、私は戦士、女戦士(アマゾネス)ね」


「僕、ドラゴンを探しに来たんです。ここは竜の口でしょうか?」


「あなた、《お嬢》を探しに来たの?この場所は、そうね、言うなれば、竜の口よりも竜の胃袋ってところかしらね?…ところで、あなたはこの場所に、どうやって来たの?」


「はい、実は…」


 カルは、キンクウの祠からの経緯を、ステラに話した。


「あら、そのネックレスが…ちょっと見せてくれるかしら?」

「はい、どうぞ」


 カルはネックレスをステラに渡す。


「うーん、確かに魔力を感じるわ。それが原因で私も目覚めたのね…」


 ステラはカルにネックレスを返した。続けてカルに話しかける。


「でも、良かったわね、あなた。もし、私が起きなかったら、とんでもない事になってたわよ」


 ステラはカルにしか聞こえないように、カルの耳に口を近づけて囁く。


「実はね、ゴニョゴニョ…だからゴニョゴニョってことになるのよ」


 カルの額に、冷や汗が止まらなく流れてくる…。

 い、生きてて良かったー!


  と、感じずにはいられないような事を、ステラは伝えた。


「そうね…ここまで来るのは、普通だと無理なの。ある特殊な魔力が無いと、絶対に辿り着けないように作られているのよ。でも、あなたは辿り着いてしまった…。だから通してあげる。ただし、中で何が起きても責任持てないわよ。この通路を左に進んで」


「ありがとうございます。ステラさんは、優しい方なんですね」


 ステラにお礼を言い、カルは左手の通路を進んで行く。


 ステラは、ちょっと心配そうにカルを見つめ、


「優しい、なんて言われたのは、いつ以来かしらね…

あの子、何も無ければいいけど…まあ考えても仕方ないようね、寝ましょう、ふぁー」



 欠伸とともに呟いた。すると、ステラはすぐに石像の姿に戻った。辺りには、静けさだけが残された…








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 励みになりますので、評価の方をよろしくおねがいします!  なるべく続ける事ができるよう努力致します!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ