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89話

「あんたが教皇で間違いない?」


アデルと入れ替わり、眼の前に居る男の凹凸の無くなった泌尿器跡地にチラリと視線をやって、今更違うと言われても困るのだけど…なんて考えながら、念のため人違いが無いよう聞いておく。



「様を付けよ娘子よ、我はノヴァリャ神の血を引いた、最も神に近しき者なのである。我が祖であるノヴァリャ神は、今から二千を越える年の前……」

                  「私の名前はノエミ・ザイラや。レグレンツィ王国の……」

「おおぉ!そなたがノエミか。話しに聞く以上に神に愛されて要るようじゃ。これならば……」

 「ノエミ!!助けに来たよ!!!」


身体の一部を失った直後にも係わらず大したものだ。互いに、話の主導権を握ろうと? 言葉をぶった斬り合う。

そこへ、そんな流れが出来つつあった流れをぶったぎる者が、扉を開けて入ってきた。


「え?ジェズ??」


開かない筈の扉から颯爽と現れたのはジェズアルド。


「なんでこんな所にいるん?!!」


突然現れたジェズの姿に、私は只困惑する。

同時にアデルは、瞬時に私に入り込み、飛び跳ねる様にジェズから距離を取った。


「『…なんでてめぇがそこにいる…』」


ジェスに向かって、敵対心を隠すこと無く警戒するアデル。


「ノエミ、今助けるからね。」


そんなアデルを気にも留めずに、ジェズは私に微笑みかける。


「おお。ジェズアルド殿。そなたの言う通り…グフォ…」


教皇が言葉を発した瞬間、ジェズが素早く移動した。

私の目でも、辛うじて追える程の速さで教皇の元に飛び込んだジェズは、手にしていた剣で教皇の首を刎ねる。


(え????)


未だ目隠しされたまま、ベットに縛り付けられている女性の上に倒れ込む教皇の身体。

女性は、悲鳴を上げることもなく事態を飲み込めずに教皇の血を浴びている。


情けないことに、私は見えているのもかかわらず、事態に頭が追いついていなかった。

何より私の頭を混乱させたのは、ジェズが教皇の首を刎ねた事ではなくて。

ジェズが動いた瞬間、ジェズの後ろに突然カストが表れた事だ。


「ノエミ、もう大丈夫だよ。変なことはされなかったかい?」


剣についた血糊を、カーテンで拭きながら微笑みかけるジェズ。

その後ろで、カストは再開を喜ぶでもなく、無表情のまま私達の方をじっと見ていた。


(良かったカスト。生きてたんや…)


『馬鹿、そういう問題じゃねぇだろ』


カストの無事を喜ぶ私に、アデルはため息混じりに馬鹿と切り捨てる。


(馬鹿っていうな!そら既に死んでるかも知れんけど、今はそんな揚げ足いらんやろ!)


『そうじゃねぇ。今問題なのは、あの腐れ勇者がなんでジェズアルドに憑いてるのかってことだろ』


(あぁ、ホンマや。カストが憑けるって事は、ジェズって相当魔法の才能あるねんな)


『…お前……。』


なぜだろう、アデルが更に呆れている気がした。



『あはははは。ノエミ、相変わらずで安心したよ。』


ジェズの後ろで、カストが笑う。


(あ、なんや。私の声聞こえてたんか)


ジェズに憑いている様に見えたけど、まだ私と繋がったままなんだと安心した。


(カスト今まで何してたん?結構心配しててんで?)


『ごめんねノエミ。色々とあってね…今はこの彼に力を借りてるんだ。』


(ちゃうやん。その色々を聞いてるんやん?なんや?人に……)

                        「ちょっと、ちょっと、ちょっと。ノエミ、もしかしてカスト様と会話してるの?」


人に言えないことでもしてたのかと、いつもの調子でカストを弄ろうとしかけたときだ。

ジェズが話に割り込んできた。


「『そうだ。お前にはノエミの声が聞こえてないのか?』」


アデルは、表に出ようとした私を拒否して代わりに答える。


「そうだね、カスト様が話されている声しか聞こえないよ。というか、ノエミなんかキャラ変わったかい?」


アデルは、ジェズの返答に少し考えると、今度は私の身体から抜け出してこう言った。


『…それなら、こうした場合俺の声と姿はお前に届くのか?』


「…………。」


ニコニコと私を見ているジェズ。アデルの声が聞こえている様子はない。

アデルはおもむろに、炎渦巻くバレーボール大の球を出現させると、ジェズに向かって投げつける。


「ちょっ!!!」


私が止める間も無く投げられた火の玉は、ジェズの足元に着弾し、強い光を放ちながら激しく爆発した。


”キャッ” っと、思わずしゃがみ込む私。


「あんた、いきなり何考えてんの!!!」


直ぐ様アデルに喰い掛かりながら、恐る恐るジェズの方を見てみると、若干引き気味に驚いきながらも、怪我一つないジェズの姿があった。


『マジで見えてねぇみたいだな…』


考え込むように呟くアデル。

その瞬間、幽体のアデルはこの世界に何の影響も及ぼせないことを思い出した。


「ど、どうしたんだいノエミ…」


ジェズの驚きは、突然しゃがみこんで、何も居ない宙に向かって叫ぶ、私の奇行に対してだと理解する。


(ちゃうねん、今のはアレやねん…)


耳を熱くしながらそう答えた時には、既にアデルが入り込んでいた。


「『なんでもない、気にするな』」


元々期待はしてないが、やっぱり何のフォローもしてくれなかった。


ブクマ有難うございます。

まだまだ手探りで書き進めていますので、忌憚のないご意見ご感想、お寄せいただければ幸いです。

稚拙な文章で読みにくいとは思いますが、生暖かく見守って頂けますようお願いします。


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