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76話

索敵魔法で見つけた壁の向こう側にいる魔物の気配。

やたらと、倒しに行くべきだと主張するアデルが邪魔くさく、


(騎士団員の許可が出たらええよ。)


なんて言ってしまったのが失敗だった。

準備も何もしていないこの状況で許可されるなんて思いもよらず、色々と説得するネタを考えていたアデルも驚くほどの即答に、頭の中で マジか?!と互いに耳を疑った。


(ってか、こんな壁にどうやって穴開けるつもりなん?)


魔物が居るところまでのルートを意識すると、確かにここと繋がっていてるが、10センチ程の穴が曲がりくねりながら1メートルくらい続いてるだけだ。人が通れるだけの穴を開けなくては通れない。


『そんなもん、俺の魔法…』

(却下!!アホやろあんた。)


そんなやり取りをしてたら、当然騎士団員からも同じような質問が来て、この岩を1メートル位くり貫かないと駄目だと言ったら酸っぱい顔で睨まれてしまった。


厚さ1メートル位の岩壁を只ぶち抜くだけなら、出来ない話ではない。だけどこんな洞窟でそんな大きな穴を開けたら、いつ生き埋めになっても不思議じゃないと言う。

それなら1度外に出て準備を整えてから参りましょうと、私が手を上げかけたとき、


「しゃがんで通れる程度の穴なら、ここを中心にすれば問題ないッスよ」


そう言って、一人の生徒が手を上げた。

聞けばその生徒、代々鉱山で働く家系で、学校に来るまでは父と共に働いていたらしい。

何でも父親が、坑道内で遭遇した魔物に大怪我を負わされた経験を受け、自衛能力を磨く為に入学したのだという。


「実は僕も探索魔法は使えるんッスけど、ノエラさんにすっかり株を奪われてしまいまして。少しは存在意義を出せてよかったッス。」


そんなことを言いながら、生徒は壁に印を描いていき、皆にその場から離れさせると、小さな爆発系の魔法を使って1メートル角位の穴を見事に開けた。

アデルを含む皆から、その見事な手際を誉め称えられている生徒に対して、私は人知れず、余計な事をと、舌打ちする……。



魔物の元へ向かうのは、私と私の班を担当していた騎士二人。

当初は、当然私も他の生徒と一緒に帰れと言われていたが、これまた手を挙げたアデルが思わず二度聞きしてしまう程あっさりと同行を認められてしまう。

これには流石に、他の騎士たちも驚いているようだったが、上司と見られる騎士の一言で口をつぐんでしまった。

私が無理矢理にでもアデルを止めないのは、前にも言った少しの引け目と、諦めが大半。

レグレンツィの後ろ盾がある以上、バレたとしても向こう以上に邪魔くさい事には成らないだろう。

残りはそんな開き直りだ…。



出来立てのトンネルを膝をついてくぐる。

立ち上がったところで松明を消し、騎士の二人は真っ暗になった洞窟を、眼を慣らしながら手探りでゆっくりと進んでいく。

二人に続いて歩くアデルは、探索魔法で得た情報を上手に使い、手探ることなく器用に歩いてた。

自分の鼻先すら見えない暗闇の中で、なんとなく周囲の地形が分かるというのも奇妙な感覚で、コウモリもこんな世界を見てるんだろうかと感動してしまう。


騎士たちのペースに合わせて5分ほど歩いた頃には、私の眼も暗闇に慣れ始め、灰色の世界を映し始めた。

一切の光が届かないこんな場所でも、慣らせば景色を映し出すなんて、人間はホントすごいとまた感動する。


「駄目ですね隊長。流石にここまで暗いと何も見えませんね。」


「そうだな…だが出来る限りの直前までは灯りをつけたくないのだが…ノエラ君、こんな状況でも魔物の所迄案内はできそうですか?」


「『問題ない、なんなら先頭で手を引いてやっても構わないぞ。』」


「ハハハ。流石にそれは何かあったとき問題になりますので遠慮しておきますよ。」


二人の騎士とアデルのそんな会話。

どうやら身体能力同等、夜目すらもアデカスの影響を受けてたらしく、無駄な感動をしてしまったと何故か悔しかった。



距離にして500メートル位、時間にして15分程たった頃、鋭利に曲がった道の先に灯りが見える。


「『あの角を曲がった10メートル程先だ。』」


アデルの言葉に二人の騎士は無言で頷き、潜ませていた息を更に潜めて曲がり角に近づいていく。

最初に若い騎士が覗きこみ、目線で合図を送って上司らしき騎士と交代する。

二人が中の様子を確認し終えると、こんどは私に向かって、 ここで待て と、ジェスチャーが飛ばされた。

何か悪いものでも食べたのだろうか?アデルはそれを笑顔で了承した。


何を企んでるんだと喉まで出かけてぐっと飲み込む。

絶対何か企んでいるんだろうけど、何を言っても薮蛇に成りかねないのでそっと見守るしかない。


『奴等がピンチにならない限り手は出さないから安心しろ。』


ソワソワと落ち着かない私に向かって、アデルが笑顔でそう言って胸を張る。


(詰まり、あの二人では勝てへん相手が居るんやね…)


私の言葉にアデルは一瞬驚いて、つぎの瞬間ニヤリと不敵な笑顔を見せた。


ブクマ及び評価有難うございます。

まだまだ手探りで書き進めていますので、忌憚のないご意見ご感想、お寄せいただければ幸いです。

稚拙な文章で読みにくいとは思いますが、生暖かく見守って頂けますようお願いします。


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