表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/99

73話 エフモントの感想

自分の名はエフモント・ベルンハルト・ヘルハルト・ストクフィス

26歳。ローモス連邦騎士団教導隊に所属して5年目になる新米教導隊員で、クラーセン記念士官学校第666期生教育担当も拝命しています。


我が国で教導隊といえば誰もが憧れる花形で、

毎年募集される1名の枠に、全騎士の1/3に当たる数の応募が有るほどです。

誰もが「我こそは最高の騎士である」と、我の強い者たちを指導する立場に成るので、教導隊の試験はとても要求が高く、合格者のほとんどは、中堅以上の猛者と呼ばれるような人達ばかりです。

結果、自他共に認めるローモス連邦騎士団最強の部隊でもあります。


そんな教導隊に、自分のような若輩者がなぜ入れたのか? 


天才ですから。

 

なんて言い切ることができればかっこよかったのですが、実際のところは、自分の預かり知らぬ所で大きな力が働いたのでは?と、考えています。 

あまり自覚したことはありませんが、自分の前の人たちが160人程早死すれば、こんな自分でも連盟主になる可能性がある血が流れているらしく、更に現連盟主が、「最近の一族の者には武官を目指す気概の有る者は居ないのか」なんて嘆いて居られるらしい噂も合わされば、コネだと気づく程度には自分をわきまえてるつもりです。

勿論、試験を受けた限りは受かるつもりでいましたが、まさか本当に受かるとは夢にも思ってなかったのが本音のところで、後から入ってくる後輩と呼ぶべき人達全員が、自分より10年も20年も長く騎士に在籍している大先輩ばかりだということに戸惑いを隠せません。


そんな肩身の狭い自分ですが、弄られることはあれ苛められる事なく可愛いがってもらえているのは、レベルの高い教導隊の中で戦闘技能だけは十分に水準を満たせているからだと考えています。

そんなこんなで、教導隊員としては、色々と物足入りない自分ですが、それでもこの四年間で随分成長できたつもりです。

士官学校の教育担当任務は、新米教導隊員のテストも兼ねられていて、無事にこなす事が出来れば、晴れて一人前の教導隊員と認められる為、力が入ります。

自分はもちろん生徒たちにとっても総決算となる三年目の郊外実習の時期が近づき、落ち着かない毎日ですが、3年間共に成長してきた彼らなら無事にやり遂げてくれる事を信じています。




郊外実習の出発日が本格的に近づき、早くから落ち着きのない自分だけじゃなく、学園全体がそわそわとし始めた頃、なぜか連盟主に呼び出されその日の仕事を終えるとともに議会へ向かいました。


「申し訳ございません。最後の面談が長引いておりまして、しばらくの間こちらでお待ちください。」


秘書らしき女性に案内されて、客間のような部屋に通されます。


「あれ?隊長どうしたんですか?」


通された部屋にはすでに先客がいて、誰かと思えば我が教導隊の隊長でした。


「おぉ。着たか」


自分の顔を見た途端、そんな軽い言葉を返す隊長の顔に驚きの色はなく、どうやら二人揃って呼び出されていたようでした。

自分のような下っ端とは違い、隊長ともなれば事前におおよその話の内容を聞かされます。それによると、今度の666期生の郊外実習に、隊長自ら護衛件採点員として参加してほしいとの要請でした。


「…隊長自らですか…」


自分の知る限り今まで前例のない要請に戸惑います。

いくら自分のことを目にかけてくださってるとしても、さすがにこれは過保護が過ぎると思うのです。

教導隊の隊長といえば誰もが認める国内最強の騎士です。

そんな人の同行する試験に、たとえ手出しがなかったとしても、皆は価値を認めてくれるでしょうか?

さすがにこのありがた迷惑は、迷惑の割合が多すぎます。


「まあそんな顔をするな。お妃様の唯一の忘れ形見だ、多少過保護になってしまうのも仕方ないだろう」


なんと言う青天の霹靂自意識過剰。

隊長の言葉に少し遅れて、みるみる顔が熱くなっていきます。

ディルク様のことを完全に忘れてしまっているとは……恥ずかしくて穴を掘って埋まりたいとは、正にこの事です。

ぎこちなく取り繕うとする自分の姿に、隊長が首を傾げています。


「どうし…」

“カチャリ”


すんでの所で連盟主様がドアを開かれ、隊長からの追求を受けずに済みました。



「そのノエラと言う少女を守るのですか?」


連盟主から出された意外な内容に流石の隊長も驚いてるみたいです。


「ええ。詳しい事情は話せませんがノヴァリャ聖国が悪意を持って彼女を探しています。国内に刺客が入り込んだという情報はまだありませんが、けして目を離すことのないようお願いします。」


連盟主の口ぶりからすると、ノエラ君に何かあれば、国家間の緊張が高まる可能性すらある様に聞こえます。

色々と聞きたいことはありますが、詳しくは話せないと言われてしまった以上、こちらからは何も聞くことができません。

モヤモヤとした気持ちを引きずりながら、隊長とともに議会を出ました。



「これは…相当に気を引き締めんとならんな」


兵舎に向かう途中、ぼそりと隊長がこぼします。

士官学校では過去、お家騒動真っ最中の他国の王子を匿ったりすることも何度もありましたが、そのために厳戒態勢を敷くなんてことはなく、通常体制のままこれらの者を守り切ってきました。

それは、我が国の防衛能力の高さを証明するものだったそうです。

そんな慣例を崩してまで出された今回の要請に、流石の隊長も緊張しているようでした。


対する自分はと言うと、そんな話を聞かされて、ノエラ君が何者なのか益々気になってしまっています。

職業的な興味より個人的な興味でそう感じてしまってる辺り、緊張感が足らないのかもしれません。

ノエラ君といえば、剣の才能に非凡さは感じますが、同盟国との関係を悪化させてまで重視する程かと聞かれれば、首を傾げざるおえません。

学問に関しても、ずば抜けた才能を持っているとは聞いたことがなく、会話してみても年相応の少女としか思えません。

下世話な話に成りますが、彼女に国を動かす程の才能を見るとすれば、だれもがその容姿と声を揃えて言うでしょうか…

普段は頭を下げて探す臨時講師の枠に、恥も外聞もなく殺到する騎士達の姿を知る自分としては、傾国の美女何て言葉がしっくり来てしまいます。


ブクマ及び評価有難うございます。

まだまだ手探りで書き進めていますので、忌憚のないご意見ご感想、お寄せいただければ幸いです。

稚拙な文章で読みにくいとは思いますが、生暖かく見守って頂けますようお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ