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43話 リオは空気

村の郊外でノエミキュンの友達に捕まってから、そのまま断る間もなく彼女の家に連行された。

4人がけのテーブルにワインと干し肉が並べられ、それを3人で囲んで座る。

ノエミキュンの横に座る僕のことなんか目もくれず、レナータさんはノエミキュンに向かってかれこれ30分以上は愚痴を溢し続けてる。


「水臭い、ほんま水臭い。私らの築き上げてきた10年にも及ぶ友情はなんやったん!」


「いや、ほんまゴメンて…」


「知らこいねん!じふんの事やどうせ人に紹介するときも”以前友達やった(・・・)レナータです”とか言うんやろ?!私のことなんかどうせ過去の人や言うて整理ついてんねんやろ?」


「ぅ…………。」


「う?う、いうた?!うわ~図星って…ありえへんわ~自分で振っといて何やけどメチャメチャショックやわ~。あかん、熱出てきた。ウチこんな薄情もんとはこれ以上話しとれへんわ」


「せやしゴメンて言うてるやんか…しゃーないやん、何の準備間もなくいきなり家出するはめになってんで?その上覚悟だけで言うたら家族と縁切るつもりの家出やん、当然村にも2度と戻ること無い思てたし、手紙一枚残しただけでも誉めて欲しいわ」


「手紙?手紙ってなんやな、ウチそんなんもろてへんで?」


「もろてへんて。そんな事あるかいな、封筒には入れてへんけど、ちゃんと”レナータへ”って書いてポストいれといたやん!」


「う~わ、出たわ。昔の事やから言うてそんな入れてへん手紙いれたとか言うて…」


「何も出てへんわ!あれやろあんた。読まんと無くしてそのまま忘れてんねやろ、せやのにまんま私が悪いみたいな言い方して。どこの白ヤギやねん…。いやちゃうな、これやと素直に自白した白ヤギさんに失礼か。」


「白ヤギって誰やねん!じぶん昔から時々意味のわからんこと言うけど…」

                          「帰ったでー」

                            「あっ、お帰りーって、何であんた帰って来たん?!」


「何でってお前、自分家や。帰るに決まってるやろ。」


「ちゃうやん、あんた今日から3日間は山小屋籠る言うて、朝出てったやん。」


「あぁそれな、中止や中止。なんや得体の知れんもんがうろちょろしとって、獲物なんかみんなどっか行ってしまいよったわ。巻き込まれても詰まらんし帰って来たんや。」


「へー得たい知れんもんて、山賊でも居たん?」


「姿は見てへんし何なんかは知らんけどな、足跡やら気配探った限りは100人以上の団体さんや。ってなんや、誰か思たらノエミやんけ。えらい久しぶりやの、帰って来たんか?」


「ちゃうちゃう、仕事で近所寄ったらレナに捕まってしもてん」


「ははっ、なんやほんで説教でもくらっとったんか?」


「正解。ほんまたまらんで…まぁ黙って出てった私が悪いんやけどね。ってかなに?自分家帰ってきたって……ふ~ん……あんたら二人がねぇ~」


「ななななななんやな、もも文句あるんか!」


「え~文句なんてあらへんよ~元々許嫁やったんも知ってるし。ただまぁあれやん?”あんなカスと結婚する位やったら一生独身通したるわ”言うてたレナータさんに、どんな心境の変化があったんやろ思てな?」


「それな!一緒になったんは未だ2ヶ月位なんやけど、ノエミがおらんで寂しい寂しい泣いとったからの。これ行けるんちゃうけ?おもて行ったらコロッと落ちょったわ。」


「落ちよったわちゃうやろ!あんたが”俺にはお前しか居いひんねん結婚してくれ~”言うて情けない声出すから一緒になったったんやろ!」


「おまっ、アホゆえ!誰がそないな事言うかい!そもそもお前が”ノエミ居らんくなってん一緒に探して~”言うて泣きついて来たんやろ。」


「泣いてへんわボケ。勝手に話盛りすぎじゃ!」


「ハイハイハイハイ。犬も食わんもん出されても私には食いきれへんよ~。仲エエのは分かったから、まだ見せ付けるんやったら私は帰るで。」


「「見せ付けてへんはアホ!」」


「あはは、めちゃめちゃ息合うてるやん。ごめん降参、ほんまお腹いっぱいや。それよりジゼラ、さっき言うてた得体の知れんもんの話もうちょい聞かせてや」


「聞かせて言うても、さっき話した以上のことは何も知らへんで?」


「あーそうか…ほんなら、最近変わったことあらへん?普通いいひん所に兵士の団体さん見かけたりとか…」


「ん~変わったことか………10日くらい前かやろか?森の北の外れの方で5~600人の団体は見かけたな。遠巻きで見ただけやし兵士やったかどうかは知らんけど…」


「5~600ってどっちにしても数合わへんな………」


「なんや変なこと聞く奴やの?そう言うたら仕事で立ち寄った言うてたな、仕事絡みか?そもそも仕事なにしとるんや?」


「あれ?うちの家のもんから聞いてへん?」


「聞くも何もじぶん、家と連絡取ってへんやろ。昼間もたまたまフィオレとノエミの話ししたけど相変わらず何処に居るかもわからん言うてたで。」


「え、マジで?!………まぁいいや。今な、私冒険者やってんねん。ほんで今は人探しの依頼中や」


「「はぁ????ノエミが冒険者とかありえへんやろ?!!!」」


「コラコラ、何を綺麗にハモってんねん」


「いや、ハモリもするやろ。ノエミあんた、ウチより剣術の才能無かったやんか。おまけに魔力皆無やし。そんなんで冒険者とか…………アホやろ。」


「アホ言いなや失礼な!これでも薬草採取の才能は結構あんねんで。」


「薬草て…そんなん私でも取れるわ。」


「あ、あのノエミキュン…」


「ん?ウザ男どうしたん??」


「「ぶはっ!ウザ男?!ウザ男って何やねん!!!じぶんどんなネーミングセンスしてんの!!!!」」


「いちいちハモって見せつけるな鬱陶しい!だいたいなんで私が名付けたって決めつけんねん…………まぁ、合ってるけど…」


「チョィーーース!今更だけど俺様ちゃんの名前はリオ(ウザ男)。ノエミキュンと一緒に暮らす三番目の男だよ(キラーン)」


「ちょっ、ウザ男言い方…、」

「「ええぇぇぇぇぇえぇぇえええぇえええええ!」……ふ~ん…3人か、なるほどなぁ。思てた通りパトロンでも見つけて手広ーやってんねや」


「パトロンて何やねん!あんたら私の事そんな風に見てたんか!!」


「えー言うてもノエミはその見た目やし?喋らへんかったらどっかの王様の愛人くらい出来そうやん?」


「喋らへんかったらって!!重ねて失礼なやっちゃな………まぁええは。ほんでウザ男どしたん?」


「チョー眠いし、この村のスイートな宿屋の場所教えてくれたらチョー嬉しいんだけど?」


「あぁ宿か。村の入口入って直ぐ右に有ある建てもんが宿やってるわ。看板ないけどノックしたら誰かしら出てきてくれるわ。明日の朝早いから、日が昇る前には起こしに来てな。」


「ソファーでかまへんねやったら、隣の部屋つこうてくれてかまへんぞ。」


「いやいやいや、流石に二人の愛の巣覗く訳にはいかんやろ。」


「愛の巣って何やねん、ノエミあんた言うことがオッサンになってきたんちゃう?」


「まぁ、あれやな。冒険者ちゅうのも綺麗な事だけではやってられんちゅうこっちゃ」


「コラコラ、そこ何を勝手な解釈して納得してんの。」

                         「あ、あのノエミキュン…」


「3人も男はべらしてるて宣言しといて、誤魔化せるおもてんか?!」

                                「俺様ちゃん宿行くね…」


「誤魔化すも何も、あんたらが思てるようなんとは全然ちゃうし」

                               「………。」


「えー思てるようなんてなんやろ?」

                 ギィー………パタン


「うわ、うっざ!その反応メチャメチャうっざ!」


「大体、薬草集めだけでそんな服買えるんやったら私等今頃お城に住んでるわ!」


「せやぞー世の中そんな甘ないねんぞー。社会勉強して下さいねお貴族様ー」


「お貴族様言うなキモいねん!!」


「ってか、あのウザ男君のキャラなんなん?…………えぇ~やらせてる?!うわ、ひっど!あんたいつの間にそんな鬼畜になってしもたん…………」


ドアや壁は何のために有るんだろう?そんな疑問が浮かぶ程、ノエミキュン達の声は外にまで響いてる。


僕は「ふ~」とため息を付きながら星空を見上げて体を伸ばす。

今日は疲れた。

ノエミキュンはなんで平気なんだろう?この村に着いて約6時間、休む間もなく話し続けていたノエミキュンに格の違いを見せつけられた。

今日はそんな1日だった。



ブクマ及び評価有難うございます。

忌憚のないご意見ご感想、お寄せいただければ幸いです。

稚拙な文章で読みにくいとは思いますが、今後も宜しくおねがいします。



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