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41話


「ジェズアルド様が行方不明とお聞きしましたが、それと関連があるんでしょうか?…心当たり等を聞かれましても、生憎私には見当も付きませんが…?」


自分で言ってて悲しいけど、こうなったら得意の「聞くこと聞いてとっとと立ち去る」技で行く。

技でもなんでもないなんてツッコミは受け付けない。


「あー…いや…ジェズは関係ないのだが…いや、無くはないのだが……ノエミに頼みたいのはその様な事ではないのだ。」


陛下は未だ整理がつきかねてる様で、発言に切れがない。

申し訳なく思いつつもこのまま煙に巻くには理想的な状態かもしれない。


「頼み…ですか…?」


「うむ。ここだけの話にしてほしいのだが…」と前置いて、陛下は事の次第を順に語って下さった。


始まりはやはりジェズ様の失踪から端を発す。

ジェズ様の消息が掴めなくなって1ヶ月も経過すると、誰もが何時もの事だと考えつつも、コレは少し長過ぎないか?と思い始めた。

そんな中、最初に言葉にしたのは、ブロット家次男エンニオ様だった。

エンニオ様とジェズ様は、第二王女様からお生まれに成った唯一のご兄弟という事もあり、エンニオ様が直接捜索されることを陛下は許された。

先ずは足取りを掴むところから始め、200の兵を率いてエンニオ様は立たれる。


5日ほどして、マテラ村方面に向かうジェズ様らしき人物の目撃情報を得たエンニオ様は、その情報を伝令に託し後を追う。

それから一週間、王城からの連絡員が合流予定地に向かうもエンニオ様の姿は見えず。付近で聞き込みするも、有力な手がかりを得ることは出来ずに帰城した。


その報告を極秘裏に受けられた陛下は、至急ご家族を集められ今後の対応を相談されと言う。


「今思うと、このとき内々に処理しようとしたのが失敗であった。」


陛下は当時を振り返り、後悔の言葉をこぼされた。

とは言え、当時の段階ではジェズ様が遊び歩いている可能性も捨てきれず、エンニオ様も行方不明と言うには捜索期間が短すぎる。

家族の恥を広めたくない陛下の気持ちは良く分かる。


続いて捜索の指揮を執ることに成ったのは、長男ベネデット様だ。

当初は次女アーダ様より、カーラ様が行ってはどうかと提案されたが、「二人が何らかの事件に巻き込まれていた場合、まだまだ僕のほうが指揮能力は高いだろう」と言ってベネデット様が自薦されたらしい。

ベネデット様はカーラ様がお産まれになるまで、次期国王として幼い頃から将来を嘱望され、その期待を裏切ること無く成長されてきた大変優秀な方だ。

それでも陛下は万全を期し、ベネデット様に3000の兵を与えて送り出されたという。


「……もしかしてベネデット様も……?」


「そうだ。ブオン通過の報を最後にベネットの一団も姿を消した。」


ブオンと言うのはここ首都ウベルティから南東にあり、マテラ村までの中間位置に有る街だ。前回同様、連絡員が合流地点に向かうも付近で痕跡すらも発見できていない。

仮に何らかの問題が有って合流地点に向かえなく成ったとしても、部隊には十分な数の鳥が持たされており相応の連絡が入る筈だった。

3000人もの一団が姿を消すということは、鳥を放つまでもなく全滅したと考えても不思議はない状況で、一匹で一国を滅ぼすような魔物が現存するこの世界では、神隠しと考えるよりも余程現実的な話だった。


「実に情けない話ではあるが、どうか息子達の捜索に力を貸してく貰えんか?」


陛下はそう言って、両手をテーブルに突いて頭を下げられる。


「ちょっ、陛下、そういうのは止めて下さい。その程度のことでしたら二つ返事で引き受けますから。」


「まことか!」


言うと同時に頭を上げられた陛下の顔に花が咲く。

どう断ろうかと考えていたのに、陛下の行動に驚いて反射的に了承してしまった…。

ほんま、こういう不意打ちはずるいと思う。


『情けねぇ…思う壷じゃねーか…』


(‥‥‥‥‥‥)


大きな溜息と共に出るアデルの悪態に返す言葉もない。


『まぁまぁ、相手は何千年も国を治めてきた一族なんだ、駆け引きで敵わないのも仕方ないよ。それよりほら、前向きにどんな悪を成敗できるのか楽しみにしようじゃないか。」


なんてカストは慰めてくれるが


(……やっぱっ陰謀路線で決まり?)


『そ、それは流石にね…』


『王子三人が連続して行方不明とか、偶然だったほうが驚きだ』


(デスヨネー…)


アデカスに言われるまでもなく、そんな予感がしてたから断ろうとしてたんだけど…

今後どこまで巻き込まれるのか、考えるだけでお腹が痛い。


「しかし陛下、これ程までの話なのですから、国として動いたほうが良いのでは?」


「あぁ、逆なのだ。コレほどの話になったからこそ、秘密裏に処理しなくてはならなくなったのだ。王家の男児が全て行方知れずになったなど、噂話の格好の的で有るからの。一度流れた噂は後にどれだけ事実を公表しようとも、消え去ることはないのでな。」


「成る程…大規模な反王制組織が暗躍してるとか、兄弟揃ってクーデター企てるとか色々盛り上がりそうですからね…」


「ノ、ノエミよ、だからそういう事はあまり口にしないで欲しいのだが…。」


「あ、申し訳ありません…。でもそれならかなり急を要しますね。」


「いや、早いことに越したことはないが、この件に関しては厳しく箝口令を敷いておる。そこまで急かすつもりはない。」


「そうですか…とは言え出来る限り早く見つけられるよう尽力致します。人の口に戸は立てられないといいますからね。現に私の噂も漏れ出てるみたいですので」


「?」


キョトンとされる陛下に、ウザ男が集めた噂の内容を例に出す。

私の中にアデルが居ることや、ランク計測の際にドラゴン2匹を瞬殺したこと。どれも陛下が箝口令を敷かれた話だ。


”バンッ”とテーブルに両手を叩きつけ、陛下が険しい表情で勢いよく立ち上がる。


「捜索の件はよろしく頼む。我は急用ができたゆえこれで失礼する。」


陛下はそんな言葉を言い終わる間もなく振り返り、早足で私室を出ていかれた。


(…言うたらあかんかったかな…?)


『いや、誰かが言わ無くちゃ行けない事だったからこれでいいと思うよ?』


『まぁ、プライドは傷ついただろうけどな』


アデカスの慰めと追い討ちに、言葉の難しさを感じながら、私達も王城を後にした。


ブクマ登録有難うございます。

次回更新18日の予定です。

稚拙な文章で読みにくいとは思いますが、今後も宜しくおねがいします。



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