表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/99

37話

(魔王やて……ホンマなんアデル??)


『知らねぇよ!』


(なんでやな、同じ魔王仲間やろ!)


『だから俺様とコイツラじゃ、魔王としての有り方がちげーんだよ』


(あー、そう言えば前もそんなこと言ってたな?)


『そんな事よりノエミ。彼が本当に魔王だとしたら、僕は黙って見過ごす訳にはいかないよ』


リオの言葉をすんなり信じられない私は、アデルに意見を求めるがコレがまるで役に立たない。

挙げ句カストが得意の正義感を燃え上がらせて、いや、視覚的に燃え上るようなオーラを纏い気を吐いている。

今日は厄日か?アデカスの沸点が異様に低いように感じる。


『あ゛ぁ゛?有り様が違うと言っても可愛い俺の後輩だ。テメーごときに好きにさせると思うなよ?』


案の定というかなんというか、カストの言葉にアデルが反応する。


(待て待てあんたら。さっきの今で、また暴れたら承知せえへんよ?)


どう承知しないんだと聞かれたら答えに困るが、とにかく承知しない。

一先ずアデカスを牽制しつつ、リオの話を掘り下げていく。


「なぁ、ウザ男?なんで自分が魔王やって思うん??」


「う、ウザ男って酷いです………コホン…。だって、突然勇者を倒したい衝動に駆られ、同時にありえない速度で強くなっていくんですよ?勇者を倒すために誰かが自分に力を与えたとしか思えませんよね?そうなると、勇者の対になる存在として魔王だと考えるのが普通ですよね?」


至極ごもっともな意見を返された。

とは言え魔王と言えば誰もが知ってる人類共通の敵で、いくら私でもこのまま聞かなかったことには出来ない。

なるほど私の中にアデルが居ると聞いた時、陛下はこんな気持だったのかと今更ながらに実感させられた。


(アデ…)

   『だから知らねぇよ。こいつの言うことを信じるなら間違いなく魔王だろうって事しか俺にも言えねぇよ』


マジ使えない……。




「まぁいいいや。ひとまずそれは置いといて、何でその魔王様はここに来たん?そもそも魔王が仕官とか斬新すぎるやろ?」


まぁ、前世の世界なら探せばそんな小説ありそうだけど…。


「え、えーと…それで自分は、最前線に到着して勇者を探したんです。最前線と言っても幾つもの地点に分かれているので、噂話を集めながら虱潰しに前線を回りました。そしてようやく5つ目の前線で勇者を見つけることが出来たんです。見つけたと言っても遠巻きに発見しただけなんですけど…その瞬間、自分の中に気が狂いそうなほどの殺意が湧き出てきて、自分を抑えるのが大変でした。辛うじて抑え込めたのは、今の自分じゃ絶対勝てないって光景を見たからだと思います。」


リオは興奮気味に話を続ける。


「だって、勇者は敵味方は愚か、獣や魔獣の死骸までもアンデット化して自身の周りを守らせてるんですよ、更にそのアンデットは皆有り得ないほど強くなっていて、人のアンデットが素手でドラープ帝国兵を鎧ごと引き裂くんです。頭を潰されようが体を真っ二つにされようが止まること無いアンデットの大群、自分1人でどうこう出来るハズがないじゃないですか!」


興奮のまま一息でそう言いきったリオは、その時の事を思い出したのか目尻に涙を浮かべていた。


沸き上がる殺意と生存本能がせめぎ合い、リオはなんとかその場を離れたと言う。

しかしその後も襲い来る殺意と不安と焦燥感、リオはそれらの感情に悩まされ宿に引き込もってしまったそうだ。

そんな日が何日も続いたある日、見舞いに来た仲間にレグレンツィ王国にも勇者が居ると話を聞いた。

“こっち勇者なら倒せるんじゃないか?”

リオはそんな僅かな可能性にかけて、噂を追って一人レグレンツィ王国向かう事にする。勿論同じ時代に勇者が二人も居たなんて事は無い、それを分かっていてもリオは止まることが出来なかった。


レグレンツィ王国に入りリオは第二勇者の情報を集めた。

曰くSSランクだとか、鳥より早く空を飛ぶとか、ブラックワイバーンを一瞬で消滅させるとか……酷いものになればドラゴンを二匹まとめて瞬殺したなんて話も有ったという。

大凡聞こえてくる噂はそんな有り得ない話ばかりで、この頃リオは「自分が探しているのは芝居か何かに出てくる勇者で、それが実在してると間違って噂が広まったんじゃ無いだろうか?」そんな風に考え始めていたそうだ。


しかし、内部に進むにつれて、噂話に現実味が帯びてくる。

曰く、褐色の大男だとか、精悍な顔の騎士だとか、あどけなさの残る少年だとか…。


(…容姿に関しては箝口令を敷いているから仕方ないけど、巷じゃそんな風に言われてるんか………そらチェリオが別人やと思い込んでてもしゃーないな。)


ダメ元で敷いた箝口令だったが、意外と皆が守ってくれているようで少し嬉しくなった。

しかし、陛下サイドで止めたはずの情報がちょくちょく漏れてる様子が伺える。人の口に戸は立てられないと言うけども、大丈夫なのかこの国の公務員……。


「皆が話す勇者の容姿が余りにも違うので、第二勇者は実在するんだと、この時確信しました。だって、芝居や本の中の人物ならもっと姿形に統一性があるでしょう?でも、同時にそれまで聞いたあり得ない噂にまで真実味が出てきて絶望もしました。それが本当なら、話半分だとしてもノヴァリャ聖国の勇者の方がまだ可愛く思えましたから…。」


「ノヴァリャ聖国の勇者のほうがマシなんやったら、何でそこで帰らへんかったん?」


「え、そりゃぁ同じ負けるなら、アンデットに成るより消滅した方がマシですし、瞬殺してくれるなら痛みもなく逝けそうじゃないですか」


リオは「当然でしょ?」と言わんばかりに、首を傾げてそんな事を言う。


「それでいいんか魔王様…」


負ける事前提の、どこまでも弱気な魔王に溜息が出る。

なるほど、コレを見たらあのキャラを進めたレオの仲間の気持ちが少し分かる気がする。



「折角自殺しに来てくれたとこ悪いけど、残念ながら私は勇者とちゃうで?」


「あ、勿論それは分かってます。」


「あ…分かってくれてるんや?………その心は?」


「ザイラ伯を見ても一切の殺意が湧いて来ませんから。」


(アデ…)

  『だからしらねぇって!』

             

 (…マジ使えねぇ…)

        

『あ”ぁ”?なんだってぇ?!』


私とアデルが口喧嘩が始めかけると、カストが止めるように割って入ってくる。


『僕が魔王を探して旅をしていた頃、自称魔王が沢山いてね、どうやったら偽物を見分けられるかずっと頭を悩ましていたんだ。でも、実際はそんな心配は無用で、アデルを前にした時だけ何処からともなく殺意が湧き出て来たんだ。だから僕はアデルが本物の魔王だと判断できた。勇者と魔王の違いはあるけど、彼の言ってる事はきっと正しいよ』


今までは、アデカスに聞いても感とか通例ならとかでしか否定できなかった私の勇者説。ここ最近陛下が私を勇者に仕立て上げようとしている節があるので、これは良い否定材料に成るかも知れない。


「これも旅の噂で聞きました。ザイラ伯の中には初代魔王アデル様の魂が入ってるんですよね?初めは半信半疑でしたけど、会ってみたら本当の事だったんだと分かりました。ザイラ伯には、顔を見た瞬間から家族に感じるような安心感を感じまして。これってきっと、魔王同士が感じる絆みたいなものなんだと思うんですよね。偉大な大先輩の魔王様に鍛えてもらえば、いつか勇者を倒せるように成るかも知れないじゃないですか?だから士官したんです」


続けてリオはキラキラした視線を真っ直ぐに私に向けてそう言った。

これも口外無用の話の筈なんだけどと思いながらため息をつく。

アデルは『なかなか分かってるじゃねーか』なんて満足そうだ。


「魔王同士とか言われても……私はウザ男にそんな絆感じひんで?それにここにはカストも居るんやし……勇者の魂を前に魔王が安心感抱いてて良いんか??」


「えっ????」


そんなの聞いてないよと言わんばかりに目を見開いて、リオはピタリと固まった。


ブクマ登録有難うございます。

人様に見てもらう文を書いてて、私が一番時間を食うのは言い回しでしょうか。

ちゃんと言葉を知っていれば漢字2~3文字で表せるような言葉があるのかもしれませんが…

文中、「何が言いたいのかわかんねーよ!」なんて表現がありましたらご指導頂けたら幸いです。

稚拙な文章で読みにくいとは思いますが、今後も宜しくおねがいします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ